膝下くらいまでなら普通のクルマでも大丈夫な可能性が高い
ちなみに、それぞれの最低地上高は、ランクルが225mm、ディフェンダーが290mm(エアサス仕様最大値)/226mm(コイルスプリング仕様)、標準装着のタイヤサイズはランクルが265/55R20で外径は約800mm、ディフェンダーは110SEが255/60R20で814mmとなっている。ランクルではタイヤ外径の87%程度、ディフェンダーではタイヤ外径より大きな渡河水深能力が備わっていることになる。
もちろん、こうした性能は、エンジンを始めとするパワートレイン系、サスペンション系などの性能が確保された上でのことで、エンジンは吸排気系、制御系(各種電気系)などが冠水(水深)の影響を受けないことが最低条件である。
では、一般の乗用車、セダンやミニバンの対水深性能はどの程度と見ればよいのだろうか。
個別に確かめたわけではないが、どのクルマもおおよそ300mm前後が限界だと言われている。もちろん、排気口から冠水が浸入すると影響を受けてしまうが、エンジンが稼働している状態(排気ガスが連続的に排出されている状態)であれば、短時間の走行なら問題ないと考えてよいようだ。
走行速度は低速を維持。最大でも20km/hぐらいと想定しておいたほうがよいだろう。低速ギヤ(駆動力の強さ、エンジン回転数の維持)ですみやかに通過することを心がけたい。
冠水した道路の水深を見極めるのは難しいが、道路周辺の目標物などを参考にしながら、走行の可/不可を判断したい。
老婆心ながら、多少のまわり道で冠水のない道路を走れるのなら、そちらを選ぶようにしたい。冠水道路の走行は、基本的には避けるべきで、やむを得ず通過しなければならない場合は、水深を見極めること、低速を保ちながら止まらないこと、などを念頭に入れて走るようにしたい。