この記事をまとめると
■古い軽スポーツモデルが現代の軽自動車よりも高値で取引されているケースがある
■専門店なども存在するので、人気車種であればそれほど頑張らずに維持することもできる
■そもそもタマ数が少ないモデルもあるので、維持が大変な場合もある
クルマ好きが熱狂した往年の軽スポーツ、いまいくらで買える?
軽自動車といえば乗用車に比べて安価に入手できて、維持費も安いイメージがあります。
しかし、近年の軽自動車を新車で購入しようとすると「えっ!?」と、思わず2度見してしまう見積もり書を提示されることも少なくありません。もちろんそれにはしかるべき理由があり、ひと昔前には設定すらなかった安全装置が標準化されたり、資材高騰など、やむを得ない理由は多々ありますが……。
なので現行モデルは仕方ない。それでは、ひと昔前、ふた昔前の軽自動車、それもスポーツ系モデルはというと……。気になって調べてみると、価格をはじめとする厳しい現実を見せつけられてしまったのです。
*この情報は2023年11月現在のものです。
マツダ・オートザムAZ-1
・デビュー年:1992年10月
・中古車の平均価格:242.7万円
・中古車の価格帯:183万~530万円
このテーマを語るうえで欠かせないのが「ABCトリオ」。そのなかで「A」といえば、車重はわずか720kg、ガルウィングドアが特徴的なAZ-1。もともとニッチな存在だったこともあり、わずか2年間の販売期間のあいだに作られた台数は4000台半ばといわれ、現存する個体は当時の新車時価格である149.8万円を上まわる価格帯で販売されている個体がほとんど。
おそらく二度と作られることがないであろう、ガルウイングドアを備えた軽自動車。いまや1台の中古車を手に入れるというより、文化財を預かるくらいの心持ちが必要かもしれません。
ホンダ・ビート
・デビュー年:1991年5月
・中古車の平均価格:94.6万円
・中古車の価格帯:39万~348万円
「ABCトリオ」の「B」といえばホンダ・ビート。初のミッドシップエンジンの軽自動車でありながらオープンカーという、なんとも欲張りというか贅沢なパッケージを採用したクルマとして人気を博しました。このクルマが現役だった当時、ホンダの某工場の駐車場がビートだらけだったので驚いた記憶があります(最近はN-BOX率が高いような)。
ABCトリオのなかでも人気が高かったこともあり、現存するタマ数はそれなりにあります。また、ビートは専門店もそこそこあるため、素性のしっかりした個体の現存数、そして主治医を見つけられる確率も高そうです。
スズキ・カプチーノ
・デビュー年:1991年10月
・中古車の平均価格:107.9万円
・中古車の価格帯:45.9万~250.9万円
「ABCトリオ」の「C」といえばスズキ・カプチーノ。FRの駆動方式にアルトワークスと同じ3気筒インタークーラー付きターボを搭載。さらに5速MTと、当時の走り屋の琴線に触れるパッケージでありながら、クーペ・Tバールーフ・タルガトップ・フルオープンと4種類のスタイルが楽しめる凝った作りも魅力です。
ABCトリオのなかでは、比較的プレミア価格の個体は少ないものの、過走行や修復歴ありなどの訳ありが多いことも事実。雨漏りが気になるとしたら、あえて雨の日(または翌日)に実車確認するのもひとつの手です。