恐ろしいほどバカッ速で若者を熱狂させた「スポーツ軽」! 懐かしモデル7台の中古価格を調べたら驚きの結果に (2/2ページ)

ABCトリオ以外も激アツ揃い!

スズキ・アルトワークス(2代目)

・デビュー年:1988年9月

・中古車の平均価格:82.7万円

・中古車の価格帯:59.8万~120万円

スズキ2代目アルトワークス

 1990年に変更された軽自動車規格、つまりはエンジンの排気量が変更されるタイミング(550cc→ 660cc)でモデルライフを迎えた2代目アルトワークス。ベースとなったのは3代目のアルト、軽自動車版ホットハッチとして走り屋のハートをガッチリとつかんだクルマでした。競技専用モデル「ワークスR」はラリーなどのモータースポーツでも活躍。名実ともに「ワークス」の名に恥じないモデルとして人気を博しました。

 ハードに使い込まれた個体が多かったゆえに、気づけば絶滅危惧種。コンディションにこだわるなら長期戦もやむなしです。もし手に入れることができたら、ラストオーナーとして長年の疲れを労ってあげてください。

ダイハツ・ミラ TR-XX アバンツァート

・デビュー年:1990年3月(3代目デビュー時)

・中古車の平均価格:48.5万円(全グレード)

・中古車の価格帯:33万~65万円(全グレード)

ダイハツ・ミラ TR-XX アバンツァート(3代目)のフロントスタイリング

 1990年に変更された軽自動車規格のタイミングにあわせて、3代目としてフルモデルチェンジを果たしたミラ。そのなかでもスポーツグレードにあたるTR-XXに「アバンツァート」を1991年5月に販売。ボディと同色のアルミホイールが鮮烈でした。

 じつはこのグレードで軽自動車初となる4速ATを搭載しています。2代目アルトワークスか、それ以上に絶滅危惧種となってしまった1台。「若いときに乗っていて、落ち着いたらもう1度乗りたい……」と思っていたそこのアナタ! 落ち着く前に決断しないと手遅れになってしまうかも!?

三菱ミニカ DANGAN ZZ-4

・デビュー年:1989年1月

・中古車の平均価格:78万円(全グレード)

・中古車の価格帯:22万~99.8万円(全グレード)

三菱ミニカダンガン

 じつは国内初となる5バルブエンジンを搭載したのが、6代目ミニカに設定されたスポーツグレード「ミニカ DANGAN ZZ」。この時点では旧規格時代なので、排気量は550ccながら最高出力は自主規制の上限でもあった64馬力を発揮。のちに新規格の660ccになったものの馬力はそのまま(最大トルクは7.6kgmから9.8kgmにアップ)。

 生産されてから30年を優に超えるだけに、やはりこちらのモデルも絶滅危惧種。プレミア価格どころか、そもそもタマ数自体がありません。手荒く扱われた個体が多かっただけに、売りモノとして残っていることが奇跡なのかも。

スバル・ヴィヴィオRX-R

・デビュー年:1992年3月

・中古車の平均価格:72.1万円(全グレード)

・中古車の価格帯:23.9万~135万円(全グレード)

スバル・ヴィヴィオRX-Rのフロントスタイリング

 バブル経済崩壊が鮮明となりつつあった1992年、スバルから1台の軽自動車がデビューしました。レックスの後継モデルと目された「ヴィヴィオ」です。当時を知る方であれば、人気絶頂だったCHAGE and ASKAの曲を起用したCMを覚えているはず。さまざまなモデルバリエーションが存在したヴィヴィオですが、スポーツグレードとして人気を博したのが、スーパーチャージャー付き4気筒エンジンを搭載したRX-R。このRX-RのためにCMが作られ、またジムカーナなどのモータースポーツでも活躍しました。

 そんなヴィヴィオRX-Rですが「探せば何とか買える」、絶滅危惧種一歩手前な状態。過走行でも、修復歴ありでも、ここ数年以内に決断した方が良さそうです。

まとめ:レスキュー前提! ラストオーナーになるつもりで

 クルマをどうしようとオーナーの自由。異論を挟む余地はありません。オーナーが身銭を切ったんですから。しかし、しかしです。いずれも絶版車。今回、ピックアップしたモデルはどれも30年選手。残っていること自体が奇跡かつ貴重な個体ばかり。今後、個体数が減ることはあっても増えるケースはまずありません。登録抹消していた個体が復活しない限りは……。すでにスクラップにされてしまったり、海外へと輸出されたしまった個体のなかの、貴重な生き残りなのです。

マツダ・オートザムAZ-1のガルウィングドアが開いた状態

 保護猫の世界では「生涯愛育」を保障できる環境がないと猫を譲ってもらえません。「猫ってかわいい」というノリと勢いだけ飛びついて、いざ飼ってみたら手がかかるからやっぱり要らない……は許されない世界でもあるのです。猫には命があるけれど、クルマは機械。スクラップになったとしても、ひとつの工業製品がこの世から姿を消すだけ。ひとくくりにするなという意見もあるでしょう。

 貴重な生き残りの個体を生かすも殺すも次のオーナー次第。「レスキュー前提! ラストオーナーになるつもりで」くらいの意識付けがそろそろ必要な段階なのかもしれません。


松村 透 MATSUMURA TOHRU

エディター/ライター/ディレクター/プランナー

愛車
1970年式ポルシェ911S(通称プラレール号)/2016年式フォルクスワーゲン トゥーラン
趣味
公私ともにクルマ漬けです
好きな有名人
藤沢武生

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