事業者にも罰則がおよぶ
免停や罰金は、運転に生活がかかっているトラックドライバーにとって、死活問題となるだけに、過積載はリスクの高い荷運びとなるのがわかるだろう。しかも過積載で検挙されるとドライバーだけでなく、トラックの使用者(所有者)である事業者にも罰則がおよぶ。過積載を防止する措置を取らせるとともに、3カ月を超えない範囲で、該当車両の使用停止処分が課せられるのだ。
この行政処分は、過積載の程度や台数、違反歴によって増減されるが、この命令を無視してトラックを稼働させたことがわかった場合、3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金、使用制限の標章を剥がしたり汚したりすれば2万円以下の罰金または科料、過積載を命じたり容認すれば6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金が課せられる。
さらに、過積載になることがわかっていて荷物を運ばせた場合、荷主や元請けも罰せられることになるのだ。これは無理な条件であることがわかっていながら発注し、運ばせた場合、警察署長から「再発防止命令」が出される。1回目であればそれだけで済むが、再び同様の発注をした場合、6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金に課せられる。
荷主の無理な要求、運搬効率を高めるための過積載は減少傾向にはあるものの、検挙数はそれなりにはある。
ちなみに軽トラックの積載重量は350kgだが、米農家の繁忙期にはその3倍くらいの収穫物を積み込むこともあり、軽自動車メーカーはそれに耐えるだけの強度を持たせていると聞いたことがある。農家の収穫期に農協周辺で取り締まりをしたとは聞いたことはないから、これはやむを得ない状況として黙認されている可能性が高い。
農家は収穫期、目一杯農作物を積み込むこともある。写真は沖縄の離島でのシーンだ。さすがに離島ではカンカン(過積載に対する取り締まり)は実施していないので、文字どおり積めるだけ収穫しているのだろう。