この記事をまとめると
■トラックの違反としてよく耳にする「過積載」
■積載重量は道路交通法によって厳しく定められている
■違反した際の罰則について詳しく解説する
過積載の程度によって行政処分が変わる
トラックの積載重量は車体の大きさと車軸の数、架装されたボディの重量によって決まってくる。小型トラックであれば1tから2t、中型であれば2.5tから6tくらい、大型は6.5tから10tくらいが一般的な積載量だ。しかし、トラック自体の積載能力にはまだ余裕がある。それは毎日のように重量物を運んでも壊れないタフさ、路面のギャップなどによる衝撃にも耐える強度を備えており、規定重量を積み込んでも安全に走るためには強度に余裕が必要だからだ。
ちなみに日本のトラックはたくさん積み込んで毎日荒れた道を走っても丈夫で壊れない、と海外でも人気だ。中古トラックも輸出され、日本の過積載以上に積み込んでいるシーンも珍しくない。
それでもやはり過積載は避けるべき重要な要件。道路を傷め、車体も不安定にしてブレーキ性能を低下させるから、非常に危険だ。そのため、道路交通法ではトラックの積載重量について厳しく定めている。
一方、トラックドライバーに対しては、過積載の程度によって行政処分が変わってくる。大型車の場合、超過分が最大積載量の5割未満までは違反点数が2点で反則金が3万円だが、5割を超えると違反点数は3点となり反則金は4万円となる。
もしも10割、つまり最大積載量の2倍を超えると違反点数は6点となり累積点数がなくても免停処分を受けることになる。そして反則金ではなく、10万円以下の罰金もしくは6カ月以下の懲役刑に処されるのだ。普通車(中型以下のトラック)では違反点数が1点から3点で、10割を超えても3点までで、反則金は3万5000円となる。大型トラックより罰則は軽減されているが、2度の10割超えで検挙されれば、やはり免停処分となる。