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どうみても市販車の「スペーシア」と「スイフト」はなぜコンセプトを名乗った? ジャパンモビリティショー展示車の疑問に迫る! (2/2ページ)

どうみても市販車の「スペーシア」と「スイフト」はなぜコンセプトを名乗った? ジャパンモビリティショー展示車の疑問に迫る!

この記事をまとめると

■「ジャパンモビリティショー」にはさまざまなコンセプトカーが発表・展示された

■コンセプトとして展示された車両のなかにはほぼ「市販車」のようなデキのモデルがあった

■「スペーシア・コンセプト」「スペーシア・カスタム・コンセプト」はコンセプトを名乗る市販車の展示車だった

コンセプト然としたものとほぼ市販車な2種類のコンセプトカー

 2023年10月26日から11月5日まで開催され、自動車産業の枠を超え、他産業やスタートアップを含め475社の企業・団体が参加、出展した「ジャパンモビリティショー(JMS)」を訪れた自動車ファンは数多いと思う。なにしろ111万2000人もの来場者が訪れたのである。トヨタの会長、そして一般社団法人日本自動車工業会会長の豊田章男さんによれば、100万人を超える来場者のイベントは、モーターショー、現ジャパンモビリティショーと夏の甲子園ぐらいのものだそうだ。

 そんなJMSでは、最新の電気自動車や、未来のクルマのスタディカー、コンセプトカーが目立ち、たとえば三菱デリカD:5の未来形である「D:Xコンセプト」や、日産エルグランドの新型を想像させる「ハイパーツアラー」など、どう考えても「このままじゃ出ないだろう」と思わせるコンセプトカー然としたモデルもあった。

 その一方、コンセプトカーを名乗った出展ながら、どう見ても「新型車そのものじゃん!」と思える花形出展車もあったのである。

 その最たるクルマが、まずはスズキのブースのメインとなっていた「スペーシア・コンセプト」。標準車のスペーシアとスペーシア・カスタムが展示され、標準車のデコレーションはともかく、実際に内外装をじっくり観察したところ、ほぼ、じゃなく、完全な市販車そのもの!

 細かい話では、電子パーキングブレーキとオートブレーキホールドのスズキ初採用(祝!)。現場にいた開発者責任者へのインタビューでは、先進運転支援機能の向上、ACCのカーブ手前減速制御といった新型スペーシアの機能、装備の内容まで教えてもらうことができたほど。

 つまり、デザインはもちろん、スペックや機能、装備など、JMSの開催初日には、すべて決まっていて、あとは発売するだけの状態で、スペーシア・コンセプトを名乗る展示車だったというわけだ。

 だったら、「新型スペーシア」です……と紹介すればいいようだが、そうはいかない事情もある。というのは、「新型スペーシア」、「スペーシア・カスタム」の発売日は11月9日。そう、JMSの開催期間後のタイミングだったのである。

 自動車メーカーとしては、発売日前の一般公表はできない。よって、もう新型スペーシアとスペーシア・カスタムが完成され、発売を待つだけにもかかわらず、コンセプトとしてしか紹介できないというわけだ。逆に、発表、発売がJMS開催前なら「新型スペーシア」となる。

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