標識の接地にクルマの速度を落とすような施策も
具体的には、たとえば東京都では目黒区の学芸大学周辺があんしん歩行エリアとしての整備を行なっており、どのような整備が必要かを見極めるためにまず、交通量調査の実施、ヒヤリハット地図作成が行われています。
ヒヤリハット地図というのは、地域住民が通勤・通学・買物・散策など普段の生活のなかで、クルマやバイク、 自転車に対して「ヒヤリ」としたり「ハッ」とするなど、交通上の危険を感じたポイントを示した地図のこと。これらの結果をもとに、地域懇談会などで交通安全対策について検討し、行政との協議を行いながら対策の必要性を確認し、エリア対策、路線対策、交差点対策の3点に着目した整備が行われています。
エリア対策では、「あんしん歩行エリア」外周部の交差点にエリアであることを知らせる標識を設置し、まず幹線道路からの流入を抑制。さらに、学校周辺の通学路などではスクールゾーンの路面表示も明確化。
そして、路線対策では、歩行空間をカラー舗装化することでクルマへの注意喚起をしたり、減速路面表示などでクルマの速度抑制を図っています。
また、歩行者が集中する商店街と主要な自動車道線が交差する危険な交差点では、イメージ狭さく、止まれ強調路面標示、自転車止まれ路面標示などの対策を実施。クルマの流入抑制と速度抑制、出会い頭の事故防止策をはかっています。
こうした整備はその場所ごとに必要な対策が検討され、実施されていますが、小型モビリティの普及などで状況は日々変化していくと思います。皆さんが日頃通行しているエリアでもし「危険だな」と感じていることがあれば、地域の窓口などへ声を上げることで、改善につながるかもしれませんね。