日本で一番権威のあるクルマの賞! 「日本カー・オブ・ザ・イヤー」って一体何? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■1980年代に始まった「日本カー・オブ・ザ・イヤー」

■日本カー・オブ・ザ・イヤーの選考基準や配点について解説

■今年の日本カー・オブ・ザ・イヤーの発表は12月7日(木)15時から行われる

60名の著名な専門家が「今年のいちばん」を決める!

 いつの時代もみんなが気になっている、求めているのはやっぱり「いいクルマ」。でも、人それぞれライフスタイルも好みも違うし、購入予算も乗る人数も、走る場所も違うから、なかなか一台に絞るのは難しいですよね。ある人にとってはいいクルマでも、別の人にとってはそうではない場合もあるものです。

 そこで、国内外で販売されるクルマを広く取材し、それぞれの特徴や実力、開発の狙いやターゲット、開発者の想いや苦労などを知り尽くした「クルマのプロ」たちが、あらゆる視点から公平な立場で一台一台を評価し、それを集約した総合評価として「今年のいちばん」となったクルマを称えるのが日本カー・オブ・ザ・イヤーです。

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤーのロゴ

 その歴史は長く、創設されたのは1980年。当時は70年代のマイカーブームからどんどん日本のモータリゼーションが急発展していくなかで、海外からも輸入車が入りはじめた時代です。ユーザーが自分にぴったりの愛車と出会うためには、正確な評価ができる人たちによる、正確な情報発信が必要とされており、日本カー・オブ・ザ・イヤーは最新モデルや最新技術を広く伝えることも目的とされてきました。

 運営しているのは、一般社団法人 日本カー・オブ・ザ・イヤーが構成する日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会で、日本を代表する自動車メディアのほか、大手出版社などのライフスタイル誌やテレビ局の番組などが実行委員会に参画しています。

 そして選考委員は、モータージャーナリストやレーシングドライバーをはじめ自動車メディアの編集長、クルマに造詣の深い著名人など、60名を上限とする選考委員たち。公平な評価をするために、実行委員会の推薦・投票によって毎年改選されており、その顔ぶれはさまざま。日本カー・オブ・ザ・イヤーを決めるにあたって取材や試乗など、各人がそれぞれの形で行いますが、選考そのものに対する実行委員会や自動車メーカーからの報酬はありません。あくまで、選考委員がそれそれの立場で活動するなかで、培った知見をもとに無償で選考を行なっています。

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤーの10ベスト試乗会の様子

 さて、では選考はどのように行われていくのでしょうか。まず選考対象となるクルマは、前年の11月1日より当年の10月31日までに日本国内において発表された乗用車ですが、次の条件を満たしていることが必要です。

「継続的に生産・販売され、一般消費者が特別な手段を用いずとも購入出来ること」

「選考委員にそのクルマを充分に理解する機会が与えられており、事前にテストドライブ、資料提供等が可能であること」

「当年の12月下旬までに一般消費者が日本国内で購入出来ること」

 さらに、次の条件の少なくとも一項目を満たしていることが求められます。

「新しいコンセプトに基づいて作られたクルマであること」

「本質的に新しい機構を採用していること」

「新しいボディ、あるいは新しいエンジン、ドライブトレイン、サスペンション機構等を採用していること」

 そして、対象車は基本的構造、あるいは新しいエンジン、あるいはボディスタイル等の同一性を主体とした車名によって区別されます。装備やグレードの相違による細分化は行わず、基本的に同一のクルマで販売上の名称が異なる場合は、クルマの同一性に関して、その都度実行委員会で審議されます。従来のクルマから派生した小変更のみのクルマは対象車とはなりませんが、最終的な判断は実行委員会に委ねられています。

 このような条件をクリアして、今年度の日本カー・オブ・ザ・イヤー2023-2024の対象車としてノミネートされたクルマは、34台となりました。90年代後半から2000年代前半には100台前後にものぼるノミネートがあったものですが、近年は開発期間が長くなったことなどで、ちょっと少ない印象です。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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