”超”がつくほどのロング客は実際にいる!?
かつて、故 渡瀬恒彦氏主演で長いことシリーズ化されていた2時間ドラマ「タクシードライバーの推理日誌」シリーズが放映されていた。渡瀬氏扮する元刑事のタクシー乗務員が毎回都内から新潟県などといった「超ロング客(超長距離利用客)」を乗せると(美人が多い)、その乗客がじつは犯人であり、そのアリバイなどを崩していくというストーリーであった。
あるとき、都内から40㎞ほど離れた東京隣接県の自宅へ帰るとき乗ったノリの良いタクシー乗務員に、「タクシードライバーの推理日誌のように、たまたま乗せたらとんでもない長距離の行き先を告げられるなんてことさすがにないですよね」と聞くと、「これがね、意外にあるのですよ」と答えが返ってきて驚いた。「仲間は一度四国まで行って欲しいと言われたことがあると言っていましたよ」とのこと。「実際四国まで乗せたのですか?」と聞き返すと、「そこはまあ……」と言葉を濁していた。
1回の出番での走行距離や乗務時間などは厳しく管理されており、さらに四国とまではいかなくともたとえば都内から北関東3県(群馬、栃木、茨城)あたりの移動でも、所属タクシー会社へ乗せてよいかなどを問い合わせる必要があったりするそうだ。タクシーの燃料はLPガスとなるが、通常は営業所近くで会社が契約しているガススタンドでガスを充てんするので、充てんのたびに現金などで料金を払う必要はないが、遠乗りとなれば出先で飛び込み(契約していないガススタンドとなるので)充てん可能なガススタンドをあらかじめ確認しておく必要なども出てくる(もちろん出発時のガス残量なども会社からは聞かれることになるだろう)。
そして、会社から許可が出れば長距離運行も可能となるが、都内から近畿地方や四国などはまず現状、流しのタクシーを拾って……というのではかなり難しいようだ(「それでもタクシーで」という場合は、タクシー会社へ問い合わせてみることをおすすめする)。
「そんなのテレビドラマだけの話でしょ」ということが、意外に現実世界でもそんなに珍しくないことは、タクシーの例を挙げただけだが、世の中には結構あるようだ。