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同じようなのゴムの塊に見えるけどなんでそんなに違う? 同サイズでもタイヤの価格がピンキリなワケ (1/2ページ)

同じようなのゴムの塊に見えるけどなんでそんなに違う? 同サイズでもタイヤの価格がピンキリなワケ

この記事をまとめると

■同じサイズでも価格の高いタイヤと安いタイヤがある

■原材料や構造、使われている素材や研究費などによりタイヤには価格差が生じている

■高いタイヤが必ずしもその人・クルマにとっていいタイヤとなるとは限らない

高いタイヤが必ずしも適しているとは限らない

 地面と接している唯一の部品であり、クルマを構成している部品のなかでもっとも重要と言われることも多いタイヤ。そんなタイヤにはさまざまなブランドや銘柄があり、価格もさまざまな訳だが、見た目に大きな差はない。それだけに価格差にピンと来ない人もいるだろう。高いタイヤと安いタイヤの差はどこにあるのだろうか? その秘密を紹介する。

車種によって求められる性能が異なる

 ひとことに自動車用タイヤと言ってもその目的や目標はさまざまだ。サマータイヤとスタッドレスタイヤでも大きく異なるわけだし、商用車用と乗用車用でも大きく異なる。これだけ見てもわかるように、タイヤに求められる性能というのは、ユーザーが乗っているクルマによって大きく異なってくるわけだ。

 たとえば我々にとって身近でイメージがしやすい乗用車用のサマータイヤに絞ってみても、車重が軽い軽自動車向けタイヤと重たいSUV向けタイヤでは開発目標が異なってくる。スポーツカー向けとミニバン向けでは製品のコンセプトも異なってくる。このように、ターゲットとする車種やユーザー層に求められる性能を実現しようとすると、使用する構造や材料は異なってくる。この構造や材料の差が価格差となる訳だ。

価格を決める要素

 ではタイヤの価格を決める要素はどんなところにあるのだろうか? タイヤの価格は研究開発費、原材料費、製造費、輸送費などさまざまな要素が絡み合って決められる。このなかでもその違いがわかりやすいのが開発費や原材料費、製造費などだろう。直近で話題になったところでいえば、原材料費と製造費だ。

 世界情勢の変化により、天然ゴムや石油化学系の材料が値上がりしたことにより、タイヤの価格も値上がりした。最近は合成ゴムを採用して天然ゴムを使わないタイヤなども登場してきているが、タイヤが求める性能によって使用する材料が異なる。求める性能によってあえて高い材料や技術を使わないことだってある。これが、価格が異なる理由のひとつだ。

 また、タイヤは年々進化している。新技術や新たな原材料を使用すれば開発費用は高くなる。スポーツタイヤであればサーキットでのテスト走行も増えるし、スタッドレスタイヤやオールシーズンタイヤは寒冷地や積雪地でのテスト走行が必要だ。このようにして求める性能によって行わなければならない試験や開発内容も異なる。試験や開発内容が異なるとタイヤの価格も異なるのは当然だ。

 また、輸送費という面で言えば、近年は国産メーカーでも一部タイヤは海外で製造する例が増えてきている。このような場合は輸送費もコストとしてかかっているのだ。

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