評判の良い乗務員は稼げる!
欧米やインドなどで利用の多い、配車マッチングアプリ(ライドシェア)サービスと提携しているタクシー事業者の車両では、母国で利用しているインバウンドがそのまま日本でも使うのでかなりおいしいとのこと。さらに、このアプリは海外由来ということもあるのか、配車要請の際に乗務員へのチップを払うかどうかのチェックがある(払う払わないは任意)。数十円単位ぐらいのいくつかの金額から選ぶのだが、小心者の筆者などはついついポチッとタッチしてしまうので、このコーナーの存在も乗務員の収入には意外なほど貢献しているように見える。
配車要請を受けるときには、そのお客が短距離なのか長距離利用なのかわからないのがアプリ配車サービスの原則だが、前述した海外系サービスでは、利用者のスコア(評価)が連続して良かったりすると、そのような乗務員には特典として配車要請を受けるかどうかというときに、要請している利用予定客の目的地までの距離などが車両画面に表示され、それをもとに配車を受けるかどうか判断できるようになるとのこと。
まさに休む間もなくというのもオーバーではないほど多忙なようだが、少なくともそれに見合ったというか、不満のないレベルの収入が確保できるのが現状となっているようである。待遇面での改善も微速ながら進んでいるようなので、ひと昔前よりはブラック感は減っていると見て取れる。
新車販売のセールスマンもかつては、「夜の仕事」とも呼ばれ拘束時間の長いブラックな仕事の代表格とされていた。訪問販売が主流のころは、夜間に購入見込み客の自宅などを訪れて商談を行うのがおもな仕事ともいわれていたからである。
※画像はイメージ
某大手中古車販売店の件が話題となって久しいが、程度の差こそあれ某大手中古車販売店のようなブラック職場的待遇は、昭和及び平成初期当たりの新車販売現場では当たり前であった。
ただ、いまより給与におけるマージン比率が高く、いまよりもはるかに売れば売るほど給与へそのまま反映されており、環境が悪い代わりに稼げるので(人によるが)お金の面で相殺かそれ以上となっていた。
現状では、働き方改革の影響もあり、営業時間が10時から18時という店舗も多く、ほかの小売店に比べると労働環境はかなり改善されているといっていいだろう。夜間にお客の家へ行きたくても、残業は原則禁止となっている。有給休暇の消化も積極的に行わなければならず、そのなかで店舗自体を週休2日にするところも珍しくなく、とにかくよく休めるようになっている。“●●ハラスメント”といったものへのリスクヘッジから、過去の直接的なブラック待遇も組織的なものはほぼ消え去ったといっていいだろう。
ただし、販売ノルマというものは引き続き残っている。セールスマージンよりも基本給の比率が高まるなか、マージン支給も単純に新車を売っていればもらえるというわけでもなく、複雑な支給基準となってしまい、結果的にもらえないことも多くなっているようである。
新車販売業務に限っては、働きやすくなっているが、以前よりは稼ぎにくくなってきているのは間違いない様子。いまの若い世代の人生観にはマッチングしやすいようだが……。
稼げるということよりは、働きやすさが重んじられるという傾向はほかの業種と変わらないものとなっているように見える。