豊田章男氏からいすゞの片山正則氏が会長へ! 日本自動車工業会も大きな変革をしてモビリティを取り巻く多くの課題に立ち向かう (2/2ページ)

次期会長となる片山正則氏からも決意表明

 このように自身の見解を語り、会見に先立って行われた理事会においては、喫緊の課題である商用領域に全員で取り組むことが、未来への重要な一歩になるという認識を全員が共有していると述べた。そこで大型車の世界で豊富な経験を持つ、いすゞ自動車の片山正則氏が次期会長に選ばれたとのこと。続いて、2024年1月より、新たに自工会 会長を担うこととなった片山氏が決意表明を行った。

日本自動車工業会が4年ぶりに実地での記者会見を開催

「この立場に就任できることを誇りに思う一方、100年に1度と言われる自動車産業の大変革のまっただなかで会長職を受け取る、その重責に身が引き締まる思いです。これまで強力なリーダーシップで業界を引っ張っていただきました豊田会長に深く感謝を申し上げます。なかでも近年の自工会改革の断行では、多くの場面で卓越した指導力を発揮していただきました。ここ2年の改革により、課題解決にチームで取り組む体制ができてまいりました。この流れを絶やすことなく、この改革をさらに進化させ、果敢に課題解決を図って参ることを、新体制一同で誓う次第でございます」

「私たち自動車産業は、新たな課題と変革の時代に立たされております。自動車技術の進化、環境への影響、そして市場の変動など、直面している課題は多岐にわたります。とくにここ2、3年で注力する課題を7つにまとめた結果、カーボンニュートラル化だけではなく、2024年問題に代表されるドライバー不足、物流効率化や運航管理等と協調すべき課題が多い商業領域が、当面のペースメーカーになるべきとの議論に至り、今回の体制となりました。私たちのビジョンはこれらの課題に果敢に立ち向かい、業界をさらに発展させ、社会に貢献していくことです。第一に環境への貢献を強化し、持続可能な自動車技術とモビリティの未来を築きます」

片山正則副会長

 自工会では、未来の自動車においては多様な選択肢(マルチパスウェイ)が必要であると積極的にアピールしてきた。この会見で豊田会長が発した『敵は炭素であり、内燃機関ではない』という言葉は、心に響いたという人も多いことだろう。

 その理解の波は、少しずつ、しかし着実に広がりつつあるとし、片山氏が会長を担う今後の2年間においては、いままで以上に地球環境保護への責任を果たし、エネルギー効率の向上、電動車の普及など、環境への貢献を積極的に進めていくという考えを示した。

 さらに、豊田会長と同様に、ジャパンモビリティショーに来場した方々や100社を超えるスタートアップ企業の参加など、従来のモーターショーの領域を超えて確かなモビリティ産業への社会の期待と、その可能性をしっかりと掴むことができたと述べた。

事項会の主要メンバー

 決意表明の後半では、自動車産業に関わるすべての人々への感謝を述べ、そして今後も協力と支援がなければ、自工会のビジョンを成し遂げることはできないこと、多くの仲間とともに、日本の自動車産業をより強化し、未来を開拓していくことを楽しみにしていると語った。


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