タクシーは配車アプリだけでなくAIもフル活用
筆者も都内でタクシーに乗ろうとしてもなかなかつかまらないことが多く、最近でははじめからスマホアプリで配車要請をかけるようにしている。
このスマホアプリサービスによる配車要請に対応しているだけではなく、タクシー向けAI(人工知能)による、需要予測提供サービスというものの利用も増えているそうだ。
たとえば、筆者は東京に隣接する某県に居住しているが、地元の総合病院にて午前中に診察が終わって調剤薬局で薬を受け取ったころ、つまり自宅に帰る人が多くなる昼近くの時間帯には、総合病院のまわりに病院から帰るためにタクシーを利用する人を目当てに空車のタクシーが多数集まっているのを目撃した。
アプリでの配車要請だけでなく、病院内にある専用電話による配車要請にも備えているような様子を、筆者のスマホに映るアプリ画面からも確認することができた。もちろん、ベテラン乗務員が長年乗務してきたノウハウで時間帯を選んで病院近くで待機することもあるが、需要予測サービスなども影響しているのではないかと考えている。
一方で、総合病院に近いターミナル駅前のタクシープールには、日中はほとんど客待ちするタクシーがおらず、タクシー待ちの長い列ができることも珍しくなくなった。
街を流していてもお客がなかなか見つからないという時間帯がある。概ね午後1時すぎから3時ぐらいがその時間ともいわれている。過去にはそのような時間帯は駅前のタクシー乗り場で休憩がてら客待ちをするというのも、タクシー乗務員のルーティーンのひとつだった。
しかしいまは、AIがビッグデータを解析することで、「乗客空白時間帯」と呼ばれるときも、お客がいそうな場所を検索してくれることもあるようで、多くのタクシーが案内する場所に向かうようになった。
乗客空白時間帯ではなくても、朝なら朝の、夜なら夜の、そして平日ならでは、日曜ならではといったように、適切にお客がいそうな場所をタクシーが流すようになってきているようである。さらに都内でも実車率(お客を乗せて走っている割合)が6割を超えており、タクシー不足が続いているいまでは、駅前で客待ちするタクシーの姿をめっきり見かけなくなったのである。