ドライバーを助けてくれる警告も!
しかし、びっくりさせられる警告だけではない。あって本当に良かったと思える現代の警告もある。たとえばブラインドスポットモニターの警告だ。レーンチェンジ時などで、うっかり後続車が迫っているときなど、カメラやレーダーセンサーなどが後ろをモニタリングしていて、「レーンチェンジしたらぶつかるぞ」と、警告灯と音で警告してくれる。筆者も何度か助けられた経験がある。
ブレーキオーバーライドシステムの警告灯も、とくに運転機能が低下したシニアには嬉しい警告だろう。具体的には、うっかりアクセルとブレーキが同時に踏まれたとき、ブレーキオーバーライドシステムが作動。警告灯が点灯し、アクセルペダルを離し、ブレーキペダルを踏むように促してくれるのだ。
リヤトラフィックアラートもじつに有用な機能であり、その警告は安全運転に直結。つまり、駐車スペースなどからバックで出庫する際、後方を横切るクルマや人などを検知すると、警告灯の表示と音で警告してくれる機能だ。
それでも自車がバックし続け、危険を察知した場合は、クルマの動きをただ抑制する機能に加え、被害を軽減するための自動ブレーキを盛大に作動させるワンランク上の機能を持つ車種もあり、前向き駐車、バック出庫の多いユーザーには欠かせない先進運転支援機能と言っていい。
現在のクルマの多くは、タイヤの空気圧まで常時モニタリング。自然要因の空気圧低下はもちろん、パンクなどで空気圧が減少した際に、タイヤ空気圧警告灯が”静かに”点灯。点灯したら、すみやかに安全な場所にクルマを止め、タイヤをチェックしたい。なお、空気圧充填後、またはパンク修理後は、システムの初期化が必要。しないといつまでも警告灯が点灯したままになるので要注意。
警告灯が点灯しても、通常はそれほど心配しなくていい警告灯として、スリップ警告灯がある。TRC(トラクションコントロール)、VSC(ビーグルスタビリティコントロール)、ABS、ヒルスタートシステムなどの車両安定装置、ブレーキが作動しているときに点灯する警告灯だが、実際に滑りやすい道を走っているときは、まず速度を落とすことが肝心。あとはクルマがしっかりと制御してくれるはずである。
ただし、通常のドライ路面を走っている時に点灯したとすれば、システムの異常だから、早めにメンテナンスに出してほしい。
そのほかにも、最新のクルマには、車種、グレードによってさまざまな警告灯が、安全安心のために用意されている。点灯しても「なんの警告だかわからん」ではマズいので、一度、取説の警告灯一覧を確認し、頭に入れておきたいものだ。
もっとも、最新のCASE時代のクルマには、かつてのクルマにはなかった数多くの警告灯があり、すべてを覚えるのは大変だが……。