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意味もわからずやってる人いない? じつはいまのクルマじゃ無意味な昔の走り屋がやってた「謎儀式」5つ (1/2ページ)

意味もわからずやってる人いない? じつはいまのクルマじゃ無意味な昔の走り屋がやってた「謎儀式」5つ

この記事をまとめると

■いま見るとダサいと思われてしまう走り屋がこぞってやっていた行為を5つ紹介

■キャブレター時代とは違い、電子制御で動いている現代のクルマには意味がない行為が多い

■レーシングカーと一般車両で全然違うので、同じ行為をしても効果が出ることは少ない

走り屋あるあるだった「時代遅れ」なワザたち

 夜な夜な峠のひと区間をチューニング車両が埋め尽くしていた一時期から見ると、いまはだいぶ数が減ったなと思う今日この頃です。筆者も見学や取材でそういう現場に訪れて、走りに対する熱い想いに触れたりしていましたが、その賑わいは今は昔。アニメでは某ハチロクのマンガが変わらず人気ですが、「お、走り屋だ!」という雰囲気のクルマ自体を見かける機会がグッと減りました。

 少し当時を振り返ってみながら、走りに挑む熱い人たちがそうとは知らずになんとなくやっていた「じつはあんまり効果がないかもしれないんですよ」という行為に焦点を当てて話してみましょう。

■エンジンを切る前の空吹かし

 いまではボタンでエンジンON/OFFを行う方式が主流になっているのでほぼ絶滅してしまった感がありますが、30年くらい前まではこのエンジンを切る前に鋭くアクセルをひと吹かしするというのがクセになっていたという人もけっこういました。

 そもそもこの行為は、昔のキャブレター時代の慣習の名残なので、インジェクションが当たり前になっていた30年前の時点ですでに意味がない行為だったんですが、おそらく先輩方から教えられ、行っているところを見て「なんかカッコイイな」と思ってマネをしたというケースも少なくないでしょう。

 キャブレターの時代は、アクセル開度少なめでゆっくり走っていると、燃焼室にカーボンなどの堆積が起こりやすかったため、「エンジンを切る前に回転を上げてやることで少しでもその堆積物を排出させて、次の始動時の着火をしやすい状態にしておく」という狙いがあったのですが、インジェクションになり低回転の燃調が適切になったので、空吹かしの必要はほぼなくなりました。

 ただ、コーナーをギリギリに攻めた走りでエンドルフィンが増し増しになった状態で待機所に戻ってきてエンジンを切るときに、「これで終了!」という区切りを付ける意味合いでは、意味はないと知りつつも、つい行いたくなるという心理は共感できます。武道の試合後の「礼」のようなものかもしれないですね。

■プラグの焼けを確認する

 このプラグの焼けを確認するという行為も数十年前にはよく見かけました。ボンネットを開けてプラグを外し、その焼け具合を見て「しっかり燃えてるな」なんて、エンジンの燃焼の調子を見る基準としているシーンがちょいちょいありました。

 これについても、この確認作業が有効だったのはキャブレター時代のことです。エンジンのチューニングの手段のひとつとして、キャブレター交換や調整が実際の速さに繋がったので、現場で燃調を確認することが最後のツメとして重要だとされていました。カーボンで真っ黒なのは問題外として、レスポンスを上げるため燃料を絞りすぎて白焼けしていると「あ、ヤバいな」と、燃焼状態の確認にはなっていたと思います。

 ただこれも、アクセルをガンガン開けた直後ならともかく、戻る途中のアクセル開度が少ない区間では、確認したいメイン系ではなくスロー系の燃調の状態での走行になるため、たとえキャブだとしても、焼けの確認の精度はかなり曖昧です。

 そしてこれも、インジェクションではほとんど意味がない行為です。まれに度数の高いカムを入れた高回転重視のチューニングが施されたエンジンで、ECUも専用の社外品でイチからマッピングされたモノだったりすると話は違いますが、純正のECUなら焼けの確認の必要はないでしょう。

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