重機トレーラーなどに導入されている
そんな運輸業界の救世主ともなり得るデバイスが後輪操舵なのである。それは多軸ステアリング機構、マルチステアリングトレーラー、ステアリングトレーラーなどと呼ばれている。重機トレーラーなど、一部のトレーラーにはすでに後輪操舵が導入されている。重機は山間部などでの工事に使われるので、狭くてクネクネと折れ曲がる峠道などを通過しなければならないからだろう。
フルトレーラーにも後輪操舵を導入した例はあるが、全体としてはまだまだ普及率は高くない。ちなみにこの後輪操舵、どのように操作するのかというと、油圧のアクチュエータで転舵させるため前輪と連動させたり、リモコンで独自に操舵量を調整するなどがある。狭い道や現場の入り口に極低速時に利用することがほとんどなので、リモコンでの操作が増えてもドライバーの負担は少ないようだ。
海外では後輪操舵を行う後部(車体後端)に別の運転席を設けている車両もある。これは前後の運転手の息が合わないと難しそうだ。そもそも道路が狭く、交通量の多い日本では2名のドライバーで1台のトラックを操縦するのはかなり難しいことだろう。