「看貫」という重量を計る行為の古い言い方が語源
昭和の時代、かつて過積載するトラックが多く、フレームや足まわりを補強していた中型トラックなども存在したが、大型トラックの割合が増えたこともあってか、過積載で検挙されるトラックの数は、5年前と比べても半減している。過積載の取り締まりは、交通量の多い街道や高速道路の入り口で車両重量を計れる大きな秤(はかり)を設けた計測所や、運搬可能な秤を設置して行われる。これが通称カンカンと呼ばれる過積載の取り締まりなのだ。
カンカンとは、パンダの名前でもなければ、キャバレーのダンス(知ってる人は高齢か?)でもない。格闘技などでKO時に鳴らすゴングの音をイメージさせるため、ここから名付けられたという説もあるが、そうではなく看貫(かんかん)という重量を計る行為の古い言い方が語源らしい。
カンカンの測定機は道路上に埋め込まれているものが一般的。オービスのようにカメラと連動して過積載車両が通過すると、軸重の合計と車両の撮影を行なう「車両重量自動計測装置」というものもあり、これによっても過積載は取り締まられる。
また、ETCが普及した現在では、ゲートを通過すると軸重が自動的に計測される装置もある。この自動軸重計は、全国の高速道路で2023年4月から運用されており、882基を設置して取り締まりを行っている。これによって過積載の実態調査ができるだけでなく、取り締まりも可能になるから、普及が進めばより過積載は減っていくだろう。
ともかく、過積載は荷主以外(検挙されれば荷主にもペナルティはある)にはメリットがない行為だ。物流2024問題が目前に迫ってきたいま、トラックドライバーの労働環境を改善しなければ、ますます成り手が居なくなってしまうだろう。