排気ガスの封じ込め効果などに期待できる
1車線遠く(車道の内側)を走る程度で何が変わるのか、と思う読者もおられるだろう。発生源が遠くなるだけなら大した効果は見込めないが、これにはふたつの効果が見込める可能性がある。
まずひとつは、第1通行帯を走るクルマの走行風による排気ガスの封じ込め効果だ。対向車線も同じく環境レーンが設けられていれば、大型トラックの排気ガスは道路の中央に堰き止められるようになり、拡散する度合いが弱まることが期待できる。
もうひとつは、歩道側を乗用車などが走ることで、トラックの排気ガスを乗用車のエンジンが吸い込み、浄化してくれる効果だ。前述の堰き止め効果で大型トラック自身が排気ガスを再び吸い込んで燃焼させれば、NOxの排出もより抑えられることにつながる。
大気汚染の度合いを測定する拠点はさまざまな環境下に設けられている。とくに大気汚染が深刻なのは交通量の多いところで、各都道府県では自動車排出ガス測定局を設置して、常時大気の汚染状況を測定しているのだ。
都内でも住宅が多い幹線道路では、大型トラックは第2通行帯を通行するよう規制されているエリアもある。これはトラックレーンと呼ばれるもので、排気ガスよりも夜間の騒音や振動の軽減を1番の目的にしている。昔に比べてディーゼルエンジンの大型トラックの比率が増えたこともあって、こうした対策が必要なのだろう。
さらに東京都では土曜日の夜、環状7号線より内側は大型貨物等は通行禁止となっている。これも騒音や振動などを緩和して住民が過ごしやすい環境にするための規制だ。