この記事をまとめると
■スーパーGTのGT300クラスには3台の「トヨタGR86 GT」が参戦している
■「FIA GT3」とは違い、「GT300 MC」はチームごとに改造することが可能だ
■各チームの関係者にどこが異なっているのか違いを教えてもらった
GT300を走るGR86 GTはおもしろい!
2023年のスーパーGTもついに最終戦を迎え、11月3〜5日、モビリティリゾートもてぎを舞台に第8戦「MOTEGI GT 300km RACE GRAND FINAL」が開催された。GT500クラス、GT300クラスともに激しいトップ争いおよびタイトル争いが展開されていたのだが、そのなかで筆者が注目したマシンが、GT300クラスに参戦する「トヨタGR86 GT」だ。
というのも、2023年のスーパーGTにはmuta Racing INGINGが投入する2号車「muta Racing GR86 GT」のほか、SHADE RACINGが投入する20号車「SHADE RACING GR86 GT」、aprが投入する30号車「apr GR86 GT」と3台のGR86 GTがエントリーしているのだが、デビューから2年目を迎えた2023年は、各マシンでエアロパーツの形状が異なっていたからだ。
ご存じのとおり、GT300クラスには、国際規定の「FIA GT3」とGTA独自規定の「GT300」および「GT300 MC」の3つのモデルが参戦しているが、FIA GT3モデルに関しては空力デバイスを含めて、多くの部品が公認されていることから、ブレーキパッドやホイール、タイヤ以外は変更禁止。
改造範囲が厳しく制限されていることから、FIA GT3モデルは計5台が参戦するニッサンGT-R NISMO GT3や、計4台が集うメルセデスAMG GT3、計2台が参戦するレクサスRC F GT3、ホンダNSX GT3はそれぞれ同じ形状のスタイリングとなっているが、改造範囲の広いGT300およびGT300 MCは、空力デバイスを含めて自由にアップデートが行えることから、3台のGR86 GTもシャシーは共通で、エンジンも5200ccのV型8気筒の「2UR-G」ユニットが搭載されているが、エアロパーツを含めて各チームで独自のアイディアと技術が注ぎ込まれている。