この記事をまとめると
■その時代、その国によってクルマのボディカラーには流行がある
■近年では、自然のなかにある色味をイメージしたアースカラーが人気となっている
■これまでにもパステルカラーやツートンカラーなどさまざまなカラーリングが流行した
人気色は時代や国によってさまざま
クルマのボディカラーには、その時代、その国によって流行があります。ひと昔前、欧州で流行った色が数年後に日本でも流行り、ひとつのメーカーで新色が出れば一気に複数のメーカーにも広がる、といったところがありました。しかし近年は、メーカーが独自のボディカラー開発に注力したり、塗装工程にこだわるなどして、あまりカブるボディカラーは少なくなってきたように感じます。
それでも、やっぱり流行や人気のボディカラーは出てくるもので、近ごろ人気なのはアースカラー。マツダのジルコンサンドメタリックや、プラチナクォーツメタリック、ホンダのサンドカーキ・パールなど、自然界のなかにあるような色味をとって、地味だけどキラリと光るものがあるようなボディカラーが若い世代を中心にウケているようです。
振り返ればこれまでにも、若い世代を中心に瞬間風速的に流行したボディカラーがありました。
たとえば、21世紀に入ったばかりのころは、なんといってもピンクのボディカラー。トヨタの初代ヴィッツの桜色のような薄めのピンクに始まり、マツダ・デミオには当時大人気だった伊東美咲さんの意見を取り入れたという、デミオスターダストピンクが登場。
コンパクトカーは女性ユーザーが多かったことを反映し、日産マーチやホンダ・フィットなど、ピンク色が必ずラインアップしていたものです。
続いて、アオガエルもビックリのグリーンのボディカラーが流行った時期もありました。2015年くらいがピークだったと記憶していますが、先陣を切ったのはマツダ・デミオのスピリティッドグリーンメタリック。当時は時代がエコに向かって一気に動き出したような背景があり、グリーンのイメージカラーがエコに対するメッセージ性を秘めていたようです。
マツダとしては、グリーンメタリックがイメージカラーとなるのは初代RX-7以来、30年ぶりのことでした。その後、フィットハイブリッドやマーチ、三菱ミラージュなどにも続々とグリーンが登場したのでした。