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昔は「ビミョーなクルマ扱い」しかされなかった! 昭和と令和でまるで変わった「軽自動車」の立ち位置 (2/2ページ)

昔は「ビミョーなクルマ扱い」しかされなかった! 昭和と令和でまるで変わった「軽自動車」の立ち位置

この記事をまとめると

■日本独自の規格である軽自動車は普通車と同じような感覚で運用できるレベルになっている

■クルマがまだ普及しきっていないころの軽自動車は、軽量で小型なクルマであった

■かつての軽自動車は、クルマとして見られていなかったような雰囲気があった

いまの軽自動車は昔と比べて随分と立派になった

 日本独自の車両規格となるのが「軽自動車(軽四輪車)」。新車販売統計をみると、新車販売全体の4割に軽自動車が迫る勢いとなっているので、街なかで見ない日はないと言っても過言ではない。ただ、この軽自動車の多さを「人気が高い」と表現するのには少々違和感を覚える。

 軽四輪車の規格は、全長3400mm以下、全幅1480mm以下、全高2000mm以下となり、エンジン排気量は660cc以下、そして乗車定員4名以下、軽四輪貨物車については積載量は350kg以下となり、登録乗用車よりその規格が厳密なものとなっている。

 規格が厳密となるものの、関連諸税や保険料などが優遇されているのだが、昨今では登録乗用車並みのパフォーマンスを持ち、高速道路でもそれほどストレスなく走ることもできるようになっている。そのため、そもそもセカンドカーニーズなどで販売台数を伸ばしてきた軽自動車を、オンリーワンのマイカーとして乗る人も増えている。

 また、セミリタイヤや年金が生活費のメインとなるリタイヤ層、そして所得がそれほど豊かではないがクルマなくしては生活できない人などの「コストを抑えてでもクルマがないと生活できない」といった層など、ニーズも多様化して販売台数を伸ばしているものと考えている。

 つまり、必ずしも好んで軽自動車に乗っているという人ばかりでもないのである。

 軽自動車規格のはじまりは1949年7月に初めて制定された。当時の規格は全長2800mm以下、全幅1000mm以下、全高2000mm以下で排気量は4サイクルが150cc、2サイクルが100ccであった。翌1950年には全長3000mm以下、全幅1300mm以下、全高2000mm以下、そして排気量は4サイクルが300cc、2サイクルが200ccと規格が拡大された。その後、1954年にボディサイズ規格はそのままに、軽三輪及び軽四輪車の排気量が360ccまで拡大されている(ちなみに現行規格となったのは1998年10月)。

 そして1958年に、日本を代表する名車ともいえる「スバル360」がデビューして大ヒットし、これが呼び水にもなり、スバル以外のメーカーからも軽四輪車が積極的にデビューするようになった。ちなみに1952年の法令改正により、軽自動車二輪免許が「軽自動車免許」と改められ、1968年に廃止されるまでは16歳から軽自動車を運転することができた。

 現状の軽自動車は、ボディサイズや排気量アップとともに、車両重量もかなり重くなっている。先日フルモデルチェンジした新型ホンダN-BOXでみると、ベースグレードで910kgだ。カスタムの4WDターボでは1トンになっている。ちなみに登録車となるトヨタ・クラウンクロスオーバーの廉価グレードは1750kgとなる。

 それに対して、スバル360の車両重量は385kg、1955年のデビュー当初における初代トヨペット・クラウンRSの車両重量が1210kgだったので、それと比較して約4分の1なので文字どおり「軽自動車」だったのである。前述したN-BOX(カスタム)の車両重量は、クラウンクロスオーバーの約57%となっているので、いまの軽自動車はずいぶん重たくなっているともいえるかもしれない。

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