この記事をまとめると
■ジャパンモビリティショーにてホンダが「プレリュード・コンセプト」を公開した
■かつて「プレリュード」は「デートカー」と呼ばれ若者たちの憧れのマトだった
■いまの若者はかつての「プレリュード」を知らず、復活を喜んでいるのはオッサンだけ
プレリュード復活に喜んでるのは”オジさん”だけ!?
先日閉幕したジャパンモビリティショー(以下JMS)にて、ホンダが「プレリュード・コンセプト」を世界初公開したことが話題となっている。
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ホンダ・プレリュードは、1978年に初代がデビューした2ドアクーペである。日本国内ではニーズの少ない電動サンルーフを標準装備するなど、おもに海外市場、というよりは対米戦略モデルとして投入されたものと筆者は考えている。
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プレリュードの存在が注目されたのは、1982年に登場した2代目からとなる。リトラクタブルヘッドライトやワンアーム式ワイパーを採用したエクステリアは存在感抜群で、フロントサスペンションにダブルウィッシュボーン式や4輪アンチロックブレーキを採用するなど、メカニズムでもホンダへの期待を裏切らないものとなっていた。
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初代以上に対米市場を強く意識、というよりは北米市場に主眼を置いて開発された、日本車離れしたそのキャラクターは当時の若者を魅了した。
1987年には2代目のキープコンセプト版として3代目がデビュー。サスペンションは4輪ダブルウィッシュボーン式となり、テレビCMの後輪が曲がる映像も印象的だった“4WS(4輪操舵システム)”は世界初採用だった。
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ここまでのプレリュードは“スペシャルティカー”と呼ばれる性格の強いモデル。北米でこのサイズのクーペは、当時は“セクレタリーカー”と呼ばれ、古い言い方をすればキャリアウーマンともいえる自立した若い女性がよく乗るカテゴリーとされていた。
一方で日本ではというと、若者が女性とのドライブデートを楽しむクルマの代名詞となっていた。
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クーペとはいえ、それほど目立った高出力エンジンを搭載しているわけでもなく、峠をガンガン攻めるモデルでもない。デートカーと呼ばれるほど、一般的なレベルでのドライブを楽しむクルマであった。セクレタリーカーと考えれば、使用のメインは都市内となるので、それほどのパフォーマンスは必要とされていなかったのである。
しかし、1991年登場の4代目ではスポーツクーペ路線に変更された。運転技術がそれほど高くない筆者(運転が下手ということ)でも、運転していてついついスピードを上げてコーナーを攻めたくなるほど、「面白いな」という走りを見せるところは、3代目までのキャラクターを残しつつスポーツ路線に舵を切ったようにも見えた。
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しかし、1996年登場の5代目では再びスペシャルティカー色の強いモデルとなり、少々迷走しながらプレリュードは終売となった。
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