コンセプトカーとの調和が美しい
●自社の歴史を彩ったボディ色を進化させる
3台目は、マツダブースで話題騒然となった「MAZDA ICONIC SP」。「クルマが好き」「純粋にクルを楽しみたい」というユーザーに向けた、新ジャンルのコンパクトスポーツコンセプトです。
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ロータリーEVシステムとともに話題となったのが、「VIOLA RED(ヴィオラ・レッド)」のボディカラー。ファミリアなど、そもそも歴代のマツダ車は赤をテーマカラーとしてきましたが、より鮮やかな発色、深い透明感と艶やかさなど、その最新作に相応しい出来映えです。
魂動など、ストイックにデザインを追求するマツダですが、それがボディカラーにも及んでいる点が「らしい」ところです。
●スローな散歩気分を盛り上げる空色
4台目は、ダイハツブースから「OSANPO(オサンポ)」を取り上げます。となりに展示された「VISION COPEN」が走りを標榜しているのに対し、お散歩気分で身近な自然をスローに楽しむことを掲げた2シーターオープンです。
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シンプルな素材色のバンパーに組み合わされたのが、爽やかな「エアブルー」のボディ。空をイメージしたこの色は、一見ホワイトに見えるほどの淡いブルーですが、過度な主張を抑えた点がキモ。さらに、ドライバーの視線の先にやさしい色を置きたいとした、ボンネットのベージュもまた魅力的です。
このあたり「Light you up アクション」として、地域密着プロジェクトなどを推進する同社らしいアプローチではないでしょうか。
●迷走デザインを打破する超クリアボディ
最後は輸入車ブースから、BMWの「Vision Neue Klasse(ヴィジョン・ノイエ・クラッセ)」。同社の次世代EVのコンセプトとして9月に世界初公開されましたが、同時に新しいデザイン言語を示した点でも注目の1台です。
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一般的にデザインを主張するコンセプトカーは、先進性や陰影の表現などを踏まえてシルバーのボディにすることが多いのですが、同車は広い室内空間とシンプルでクリアな面をより強く打ち出すため、ホワイトをベースにした点がユニーク。
さらに、インテリアと合わせて黄色をわずかに加えることで独特の質感を与えたのも秀逸です。
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新しいデザイン言語は、巨大グリルなど迷走気味のBMWデザインとしてはじつに明るいニュースと言えそうです。
さて、今回のコンセプトカー5台のボディカラーはいかがでしたか? 日本市場では相変わらず白や黒などの無彩色が人気ですが、せっかくのカーライフを豊かな色で飾りたいものですね。