この記事をまとめると
■これまでに廃止された車種は多いが、それでも50年以上生き残っている日本車もある
■ランクルやクラウン、スカイライン、フェアレディなど、生き残っているものは名車と呼ばれるモデルとなっている
■意外にも、軽自動車のマツダ・キャロルは60年以上の歴史を有している
いかに名車といえども時代とともに生き残るのは難しい
「ジャパンモビリティショー2023」には、ホンダから「プレリュード・コンセプト」が出展された。プレリュードを含めて、日本車の歴史を振り返ると、廃止された車種が悲しくなるほど多い。トヨタではプレリュードに相当するクーペのセリカやレビン&トレノ、日産は第二次世界大戦前のダットサンからの伝統を受け継ぐブルーバード、Lサイズセダンのセドリック&グロリア、マツダならコスモやルーチェなど、廃止された名車を挙げたらキリがない。
しかしその一方で、逞しく生き抜いている長寿モデルもある。1950〜1960年代に誕生した車種をリストアップした。
初代トヨタ・ランドクルーザー(1954年)
初代モデルは、警察予備隊(自衛隊の前身)の需要に応じて開発され、1951年に「トヨタジープBJ型」として発売された。ただし「ジープ」の名称がウイリスオーバーランド社の商標に抵触するため、1954年に「ランドクルーザー」へ改称されている。
それ以来、ランドクルーザーは、悪路向けの4WDとして進化してきた。いまでは複数のバリエーションを備えるランドクルーザーシリーズに発展している。
初代トヨタ・クラウン(1955年)
初代クラウンは、1955年に国産初の本格的な高級セダンとして発売された。当時はクルマの価格が物価に対して際立って高く、乗用車もタクシーが中心だった。一般ユーザー向けの乗用車は、1958年に発売された軽自動車のスバル360などが最初だったが、クラウンは本格的な高級乗用車市場へ勝負を挑んだ。
全長が4285mm、全幅は1680mmのコンパクトなボディに、直列4気筒1.5リッターエンジンを搭載する。それでも観音開きのドアを備えたボディは堂々として、憧れの存在となった。発売時点の価格は101万5000円。大卒初任給をベースにいまの価値に換算すると約1800万円であった。