この記事をまとめると
■道交法68条「共同危険行為の禁止」の新設により暴走族による「初日の出暴走」は目立たなくなった
■共同危険行為は警察の一斉取り締まりで検挙され、身柄拘束を受ける可能性が高い
■身に覚えがないのに容疑をかけられた場合は弁護士に相談して然るべき対処を行うべきだ
2台以上で危険を生じさせたり他人に迷惑をかけたりしたらアウト
ひと昔前は、大晦日から元旦にかけての「初日の出暴走」がニュースに取り上げられることが多かったが、警察の取り締まり強化の成果もあり、近年ではあまり目立たないようになってきた。これには、2004年に暴走族を取り締まる目的で新設された道路交通法68条「共同危険行為の禁止」の影響も大きいとされる。
では、「共同危険行為の禁止」とはどんな法律なのか。
条文では、「道路において2台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ,又は並進させる場合において,共同して,著しく道路における交通の危険を生じさせ,又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為」と定められていて、単独で行う危険行為は対象外になっている。
その代わり、被害者がいなくても共同危険行為等を処罰できるのが大きな特徴。
違反者は、2年以下の懲役または50万円以下の罰金(違反点数25点)。さらに違法改造車を運転した場合は、3か月以下の懲役または5万円以下の罰金だ。
※写真はイメージ
また、共同危険行為は、警察の一斉取り締まりによって検挙される例が大半で、当事者同士による口裏合わせ、証拠隠滅を防止するため、逮捕・勾留等の身柄拘束を受ける可能性が高いので要注意。最近では、防犯カメラ映像などを精査して、後日逮捕というケースも増えてきている。
さらに、検挙された際、暴れたりすると、公務執行妨害罪が成立する可能性があり、警察官に過度の挑発行為を行ったとみなされると業務妨害罪が成立する可能性も……。
共同危険行為による道路交通法違反で刑事処罰を受ける場合、初犯であれば略式裁判による罰金処分で済むことが多いが、無免許運転の有無や暴走行為の回数と危険性・悪質性によっては正式裁判に!?
万が一、ちょっと派手なカスタムカーに乗っている仲間と出かけたときに、共同危険行為等による道路交通法違反の容疑をかけられてしまった場合はどうすればいいのか。
※写真はイメージ
本当に身に覚えがなければ、すぐに弁護士に連絡をとり、警察や検察、裁判所に対して、不起訴処分もしくは無罪判決になるよう動き出すしかない。
共同危険行為は善良なドライバーには縁がないかもしれないが、「李下に冠を正さず」ということわざがあるとおり、普段から疑いをかけられないよう、襟を正して運転するようにしたい。