この記事をまとめると
■トヨタ・カローラクロスが一部改良を実施した
■あわせて価格も変更されたが販売現場は製造コストの値上げ分も含むと推察している
■物価上昇よってモデルチェンジのタイミングで価格見直しを実施するメーカーが増えそうだ
カローラクロスの価格変更は実質値上げと見られている
デビュー以来高い人気を維持していたトヨタ・カローラクロスが一部改良を行った。おもな改良点としては、ハイブリッドでは電動モジュールを刷新、ガソリンエンジンでは1.8〜2リッターダイナミックフォースエンジンへのパワーユニット変更の実施となる。また、トヨタ・セーフティセンスの機能拡大、コネクティッドナビ対応ディスプレイオーディオを設定、Zグレードには12.3インチのTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイを標準装備、ボディカラーの新設なども行われた。
車両価格をみると、4WDとなるハイブリッドZが345万9000円となっている。改良前同グレードの車両価格は319万9000円なので、単純計算で26万円アップとなっている。4WDハイブリッドの廉価グレードとなるGでは17万円、シリーズ最廉価となるガソリン2WD G-Xでは18.5万円のアップとなっている。
ちなみに、カローラセダン、同ツーリング、同スポーツは、2022年10月に大幅ともいえる一部改良を行っており、セダンとツーリングはガソリンエンジンを1.8リッター直4から1.5リッター直3ダイナミックフォースへ載せ替え、スポーツでは1.2リッターターボから2リッターダイナミックフォースへと載せ替えを実施、ほかのおもな改良点も、今回のカローラクロスとほぼ同じとなっている。また、GRカローラ設定の関係から、ボディ剛性などもかなり強化されている。
カローラスポーツは2019年にデビューしており、2021年にもセダン、ツーリング、スポーツは小規模な改良を行っているのだが、2019年デビュー当時の価格と、2022年10月実施の大幅改良後の価格を比較すると(2WD G“Z”)、6万5200円の価格アップとなっている。ちなみに改良前にカローラスポーツが唯一搭載していた1.2リッター直4ターボは、トヨタのエンジンのなかでも製造コストの高いエンジンとされていたが、それを新世代2リッターダイナミックフォースエンジンへ載せ替えたガソリン2WD G“Z”のCVTでは、2022年10月の改良後と比較すると9万200円のアップとなっている。
セダンのハイブリッドW×B(2WD)では、2022年10月の改良後は5万円のアップ。1.5リッターエンジンへ載せ替え、リヤサスペンションをダブルウイッシュボーンからトーションビームに変更したセダンのガソリン車では、W×Bが改良前は1.2リッターターボで6速MTのみの設定だったので単純に価格を比較することはできないが、それでも改良後の1.5W×B(2WD/CVT)の価格は4万1000円アップとなっていた。
今回のカローラクロスは改良を伴う価格変更とは言いながら、販売現場では「価格アップの幅が大きすぎ、値上げ分も含まれていると思わざるを得ない」という声も大きい。
ただし、セダンやツーリング、スポーツはすでにバックオーダー消化の関係もあって、2024年春予定とされる改良へ向けてオーダーストップとなっている。販売現場では「セダンやツーリング、スポーツも2024年春予定の改良でコストアップ分も意識した価格設定(価格アップ)になるのではないか」と捉える声が多い。