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WR-Vのボディサイズは全長4325×全幅1790×全高1650mm、ホイールベースは2650mm。全長および全幅はヴェゼルとほぼ同じながら、全高は70mm、ホイールベースは40mmほどWR-Vのほうが大きい。その延長しろはそのまま車内空間の拡大に繋がっており、WR-Vでは見晴らしのよい運転視界やクラストップレベルの後席頭上空間、さらに荷室容量といった広大な室内空間を実現している。
シャシーはインド市場で販売されているコンパクトFFセダン、シティをベースとしており、ホイールベースを2650mmまで延長したもの。フロントタイヤと運転席の位置関係はそのままに、リヤタイヤの位置を後方へと移動させたと想像すればイメージしやすいだろう。
それゆえWR-Vは、運転席まわりの空間こそ車体相応だが、リヤドアは前後方向に長く、開口部も大きい。とくにリヤシートの居住性は驚くほどで、レッグルーム・頭上空間ともに余裕がたっぷり。フロントシートに成人男性が座った状態でも、後席乗員のヒザ前にはコブシふたつぶん以上のスペースがある。また、ルーフラインも後方へとまっすぐに伸びる直線フォルムとされたことで、車内の頭上空間もしっかりと確保されている。
残念なのは、リヤシートはダイブダウン収納できず、背もたれが前方へ倒れるだけというシンプルな機構になっていること。そのため、荷室とのフロア面はフラットにすることは叶わないが、絶対的な容量に余裕があるため、実用上で不便を感じる場面はそう多くないだろう。むしろダイブダウン収納を諦めたことで、リヤシートの座面や背もたれの肉厚をたっぷりと確保した設計が可能となっており、クラスを超えた快適性を実現している。
グレード展開は「X」「Z」「Z+」の3種類で、グレードによる装備の違いはタイヤ&ホイールと内外装の加飾のみ。パワートレインについては未発表だが、1.5リッター4気筒の純ガソリンエンジンのみとウワサされており、e:HEV(ハイブリッド)の設定はなし。また、駆動方式もFFのみとなっており、WR-Vは外見から連想されるような本格派SUVではなく、あくまで実用性を重視したアーバン(都市型)クロスオーバーモデルだ。
そしてWR-Vにおける最大の注目は、求めやすい価格設定にある。ZR-Vやヴェゼルを上まわまわる室内空間を持ちながら、パワーユニットを純ガソリンエンジンに一本化、グレード構成もシンプルにしたことで200万円代前半からという価格帯を実現しているという。詳細は今後に明らかとなるが、最上位グレードであるZ+であっても、250万円以下に抑えられているそうだ。
なお今回、日本市場へ導入するにあたって「エレベイト」の車名をそのまま使用しなかった理由を、前述の開発責任者(LPL)である金子宗嗣さんに尋ねてみたところ、『日本国内市場においてはすでにCR-VやZR-Vが導入された実績があり、ホンダのSUVといえば「○R-V」というイメージが構築できていたから』というのが理由だそう。エベレイトという単独の車名ではなく、シリーズ化した車名を与えることで、日本国内市場でも長く販売したいという思惑があるそうだ。
ちなみにWR-Vの車名は「Winsome Runabout Vehicle」の頭文字が由来となっている。「Winsome」には「楽しさ」や「快活さ」といった意味があり、購入いただいたオーナーには、このクルマと生き生きとした毎日を楽しんでほしいという想いが込められているという。
WR-Vのタフでラギッドなスタイリングとシンプルなグレード構成、そして求めやすい価格帯は、ジェネレーションXと呼ばれる若年層はもちろんのこと、子育てがひと段落したシニア世代にとっても広く受け入れられそうだ。WR-Vに関する情報は随時明らかになっていくとのことなので、ぜひ今後の展開に注目していきたい。