この記事をまとめると
■2023年12月にホンダが発表する新型SUV「WR-V」の一部情報を公開した
■高い実用性と快適性を備えたインドネシア工場生産のコンパクトSUV
■ガソリンのみのFFのみで価格は200万円台前半で発売予定のSUVエントリーモデル
生い立ちはややこしいが魅力は明快!
2023年11月16日、ホンダは2023年12月に発表を予定している新型SUV「WR-V」の外観および一部情報を公開。さらに特設サイトをオープンさせ、先行情報を公開した。
新型WR-Vは、ホンダの国内SUVラインアップにおけるエントリーモデルとして登場する。そのため、装備やグレード展開はシンプルで、車両本体価格は200万円台前半からという身近な設定とされているのが特徴だ。
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今回は内外装やグレード展開といった一部の情報のみが公開され、パワートレインの詳細や走行性能、燃費などは明らかになっていないものの、ラギッドな印象でまとめられたスタイリングは、従来のホンダ製SUVにはない魅力にあふれ、若年層を中心に人気を集めそうだ。

まず新型WR-Vの生い立ちから解説していくと、これが少々ややこしい。ホンダは世界各国・各地域の市場にそれぞれのニーズに合った車両を導入しており、WR-Vは、2022年12月からホンダのインドネシア工場で生産され、アジア地域の専売車両として展開されているコンパクトSUVである。
インドネシア仕様WR-Vのボディサイズは、全長4060×全幅1780×全高1608mmで、いわゆるBセグメントに位置付けられる都市型SUVだ。日本国内市場で販売されているヴェゼルの全長4330×全幅1790×全高1580mmに比べると、短く高い。トヨタのヤリスクロスに近いサイズ感だ。
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ただし、今回日本市場に導入されるWR-Vは、このインドネシア仕様WR-Vではなく、2023年6月にインドで世界初公開された「エレベイト」をベースに若干の仕様変更を加えたモデル。つまり、同じWR-Vの車名ながら、インドネシアと日本では内容の異なる車両が販売されることになる。一方、インド仕様のエレベイトと日本仕様WR-Vは、ほぼ同じ仕様ながら車名は異なる姉妹車となる。
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というわけで前置きが長くなったが、日本仕様WR-Vのグランドコンセプトは「VERSATILE FREESTYLER(バーサタイル・フリースタイラー)」というもの。開発責任者(LPL)を担当された金子宗嗣さんによると、既成概念や固定観念にとらわれず、より自由な発想で自分らしい生き方を表現する人々の想いに寄りそうクルマを目指して開発されたという。「VERSATILE」は多様なライフスタイルやニーズに適応できること、「FREESTYLER」とはさまざまな制約を乗り越え、自由に自分らしいスタイルで生きることをそれぞれ表現している。

すでに日本市場へ導入されているZR-Vやヴェゼルに対する新型WR-Vの立ち位置は、まさに「自分らしい生き方」を楽しんでいる層に刺さりそうな内容となっている。外観は直線基調のフォルムを持ち、ほぼ垂直に近い大きなフロントグリルや天地方向にたっぷりと厚みを持たせた前後ドアなど、タフでラギッドなスタイリングが特徴だ。都会的で洗練された印象のヴェゼルやZR-Vとは異なり、WR-VはSUVらしい「ギア感」にあふれている。