昨年の「ドベ」スタートからまさかのポールポジションスタートへ! 真夏のカート耐久レース「K-TAI」にWEB CARTOP編集部の若手が再挑戦 (2/3ページ)

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 7月17日、いよいよ本番がやってきた。先述のように筆者が乗る95号車はポールポジションという最高の位置からスタートとなる。

 クルマ好きと言うもの、誰だってポールスタートを体験したいはずであるから、今回のスタートドライバーは前日のBBQでジャンケンで決めた。結果は筆者井上。運任せではあるにしろ、やはりなんか申し訳なさがある。

もてぎKART耐久フェスティバル“K-TAI” 95号車

 ちなみにポールポジションを獲得すると、スタート前のインタビューや「ポールポジション賞」といった賞典も用意される。引いたメンバーはこの号車の人じゃないのにいいのか!?

 このレースでは、マシンはピットを出てから1周走って自身のグリッドに並べる方式となっており、9時のスタートを前に続々とマシンが各グリッドに集結する。参加台数99台が後ろにズラッと並ぶ光景は圧巻だ。ただし言い換えれば、この後ろにいる98台がスタート直後に全部95号車に襲ってくるとも言える。そう考えるとなんともおっかない光景である。

 インタビューを受けたり、YouTubeにその模様がライブ配信されたところで、いよいよスタート時間がやってきた。今回の目標はせっかくなので「ポールトゥウィン」という、なんとも馬鹿げた目標を個人的に掲げてみた。言うのはタダなので。

 そんなこんなしているうちに、先導車に1周引っ張られつつのローリングスタートが行われ、ついに「もてぎKART耐久フェスティバル“K-TAI”」の戦いの火蓋が切って落とされた!

もてぎKART耐久フェスティバル“K-TAI”

 さぁ95号車と井上、1コーナー目がけてアクセル全開で飛び込む! と言いたいところだが、スタートしてものの10秒でいきなり数台に抜かれてしまい、1コーナーの立ち上がり時点ですでに5〜10位前後。昨年に引き続き筆者が乗るこのカートは、変速機がないシンプルな乗り物ゆえ、個体差やセッティング(主にスプロケット)、ドライバーの体重で物凄く性能が変わる(ミッション付きのよりハイスペックなマシンも存在する)。

 筆者は体重で言えばかなり軽量なのだが、そのほかの要因によってあれよあれよと順位が下がる。1周走った段階でもう何位かわからないではないか! ざっと見たところ30位前後か? そもそもがヘタクソであるとかなんとか理由は山ほどあるが、開始3分程度であまりにも不甲斐ない結果となった。

もてぎKART耐久フェスティバル“K-TAI”

 とはいえこれは耐久レース。スタート直後から最後までずっと首位なんてありえないし、最後尾スタートであってもずっと最後尾なんてことは、大きなマシントラブルでもない限りありえない。もっと言うと、チーム的には優勝なんて狙ってないので、とにかく安定して完走することの方が耐久レースにおいては大事だ。

 昨年、筆者はオーバーランしてグラベルから出れなくなったり、スプロケの摩耗で1時間修理になったりと、不可抗力があったにしろ散々だったので、メカトラブル以外は細心の注意を払って走行した。もちろんガス欠にも要注意だ(スタート時は4リッターしか入れられない)。

もてぎKART耐久フェスティバル“K-TAI”

 今回の95号車は、5人の業界若手編集部員でまわすことになっており、大体1人あたり1スティントで45分くらい乗る計算。カートにはロガーがついているので、それを見たところ、カートのセッティングの都合などから、今回は昨年より5秒ほど速いタイムで走れているようだ。

 最初は今後の燃費のことも考えて、筆者はスタートして8周ほどでピットインとなった。ここで規定の1回2リットルの給油をして、また少し走っては少し給油して……といったルーティンでガソリンを少しずつ貯めるというのが、今回の95号車の主な流れ。これを続けることで最終的には満タン近くなり、最後の方はロングスティントを走れるという作戦だ。要するに、最後の方で一気に巻き返す感じだ。

 なお、このレーシングカートは排気量250cc、4ストロークのホンダ製汎用エンジンを搭載する(同社の発電機などで使われるもの)。スプロケットの組み合わせで変わるが、おおよそ100〜120km/hほどの最高速度が出る。

 カートは見てのとおり地面と目線がかなり近いので、スピード感や迫力は満点だ。一説によると、体感速度は300km/h近いとか!? そしてこのもてぎは、見てのとおりよくある街のカート場のような狭いコースではないので、意外と疲労度は少ないのもトピック。ほぼアクセル全開で各コーナーをクリアできるので、なかなかの爽快感を味わえるのもこのレースならではと言えよう。

もてぎKART耐久フェスティバル“K-TAI”

 さらに、走りながらさまざまな技を試すこともできる。カート1台に対してコース幅が半端なくあるので、ライバルが周囲にいなければある程度自由なラインで走れる。1レース中にスキルアップも十分に可能だ。実車ではあまり感じられないスリップストリームなんてのも”超”体感できる。走ってるときは風を受けているので、暑さをそれほど感じない点もうれしい。

もてぎKART耐久フェスティバル“K-TAI”

 ただし、写真のとおり生身なのでクラッシュすると大怪我も十分ありえる。当然だがこれはレースなので、自身のため、周囲のためにも気を抜くのだけは厳禁だ。それと、スーパーGTなどと同様に各ポストでフラッグも振られるのでそれらにも気をつけるべし。


WEB CARTOP 井上悠大 INOUE YUTAI

編集者

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