LXやGXに加えて水素バギーまで! 高級がウリのレクサスが最近「泥系」に力を入れるワケ (2/2ページ)

オフロードでもレクサスらしさを忘れない走り

 走りの仕上がりは上々で、かなり厳しいコースでもハイスピードで安定して走れることから、ドライブした多くの人から「レクサスらしい」という評価を得ることができているという。筆者もくだんの富士スピードウェイのコースをLXで走った経験があるが、驚くほど快適で乗りやすいことが印象的だった。そのフィーリングがROVコンセプトにも受け継がれているとみてよさそうだ。

レクサスROVコンセプトのサイドビュー

 そのほかのいくつかの部分もレクサスとして相応しく専用に仕立てられている。たとえば室内では、操作系に上質さを与えるため、ステアリングホイールやサイドブレーキのグリップには市販車として最高級の皮革が使われており、シフトノブもアルミの削り出しとされている。

レクサスROVコンセプトのインパネまわり

 シートには、シート自体に減衰を持たせたサスペンションバケットシートを採用して乗り心地の向上を図っているほか、オフロード走行時に左足ブレーキしやすいよう、Fスポーツ用のペダルを装着するとともにオフセットを最適化したという。

 ボディパネルについても、通常の塗装では約9kgのCO2が発生するところを、塗料を不要とするとともに、補修が必要となった際でも貼り替えで対応できるよう、ラッピングとした。また、誰が見てもひとめでわかるように、レクサスのシグネーチャーライトが装着されている。

レクサスROVコンセプトのフロントスタイリング

「新たにオフロードという世界に踏み出してみると、やはりそこでしか得られないものがあります。たとえば低速・高負荷・低回転のような、一般のお客様が市場でお使いになる条件のなかでもより厳しい条件がオフロードではごく普通にあります。そうしたところを勉強させていただきながら、よりよいクルマが作れるよう技術開発を進めてまいります」という旨を、製品企画の山本晴之氏は述べていた。

 これまであまりアウトドアのイメージのなかったレクサスが、このところおもむろに力を入れはじめたように感じていたのだが、じつはもともとユーザーからの求める声は少なからずあったのに、レクサスとしてあまりそのニーズに応えることができていなかったと前出の山本氏はいう。そこで、いちはやくお客様のニーズを汲み取って、望まれるものをできるだけよい形で提供し、いっしょに幸せを作っていきたいとの思いから、現在では大いに力を注いでいるところだ。

レクサスROVコンセプトの走行シーン

 海外勢でもオフロードに専門的に携わっているブランドを除いて、ここまで力を入れているプレミアムブランドというのは心当たりがない。この新しい取り組みがもたらす成果に大いに期待したい。


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