「バス運転士不足」は自動運転が解決!? アメリカじゃすでに問題も起こってるし目論見は甘過ぎだろ! (2/2ページ)

すでに自動運転で営業運行している海外では事故や渋滞が発生

 すでに海外ではサンフランシスコなど、複数の都市で自動運転タクシーが営業運行している。報道によると、その自動運転タクシーが消防車に道を譲らずに衝突して乗客が負傷するなど事故が多発している。また、都市部で自動運転タクシーが方向転換しようとして立ち往生し渋滞が発生、周辺にいた自動運転タクシーも渋滞に巻き込まれ、システム上の都合なのかそれらも立ち往生したらしく、かなりスケールの大きい渋滞に発展したとのこと。

アメリカ・サンフランシスコ州での自動運転タクシーの実証実験の様子

 警察官や工事現場の警備員の指示を無視するなど、細かい問題は数えきれないほど発生しており、都市によっては運行停止を求める市民運動が起きており、街なかを走る自動運転タクシーに、意図的に危険を認知させ停車させるといったテロ行為のようなことを起こす市民まで出てきているとのこと。

 アメリカでは自動運転タクシーに関するトラブルについては専用ダイヤルを設けているとのこと。このようなテストケースにも近い実用化に寛容にも見えるアメリカでも、社会問題とまではいかないが問題が目立ってきている。

 日本ではこのような発達途中の段階で営業運行を許せば、とたんにメディアや市民団体から政府や監督官庁へ向けてのバッシングが激しくなるだろう。つまり、日本の社会が問題なく受け入れることのできる自動運転技術の確立となると、より遠い先の話になってしまうのである。

アメリカ・サンフランシスコ州での自動運転タクシーの実証実験の様子

 すでに路線バスやタクシーといった旅客輸送業界では、単に賃上げしても人材を十分に確保することができない。安心・安全な運行業務のための交通事故を未然に防止するのに役立つ安全運転支援デバイスの充実など、職場環境の改善と言うものも大切となってきている。

 自動運転技術がいまの、目の前の路線減便や廃止をただちに解決する有効な解決策だというのだけはくれぐれも考えないほうがいいと筆者は考えている。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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