1番売れそうなのは最後に控えるエステート! クラウン4兄弟の大本命を探った (1/2ページ)

この記事をまとめると

■4種類の異なるボディタイプを用意して変貌を遂げたトヨタ・クラウン

■クラウン4車種のなかでもっとも多く販売される本命はエステートだ

■すべてが登場したあとに試乗したうえでどのクラウンを購入するか判断したい

存続のための変革を選んだクラウン

 2021年のクラウンの登録台数は約1800台で、1990年の1万7300台に比べると、10分の1まで減った。クラウンの使命は終わったように思えたが、初代モデルを1955年に発売したトヨタの伝統ある車種だから廃止は避けたい。

トヨタ・クラウン(15代目)のフロントスタイリング

 そこでクラウンは、存続を賭けて変革された。クラウンをシリーズ化して、4車種を用意した。先代型は全幅を1800mmに抑えた国内向けのセダンだったが、現行型では3車種が海外でも人気の高いSUVになり、セダンも1車種を用意する。この変革に伴って、全幅も1840〜1890mmまで拡幅された。

 もはや全幅が1800mmの運転しやすいクラウンは選べないが、現時点で販売されている車種は、すべて後輪操舵を備える。時速60kmを下まわる中低速時には、後輪を前輪とは逆方向へ操舵することにより、小まわりの利きを向上させる。

トヨタ・クラウンクロスオーバーのリヤスタイリング

 開発者は「クラウンクロスオーバーの場合、最小回転半径は5.4mだが、後輪操舵機能が装着されないと5.7〜5.8mに達する」としている。追加されたクラウンスポーツにも後輪操舵が採用され、駆動方式はすべて4WDだ。

 つまり、SUVになったクラウンは、後輪操舵と4WDの組み合わせにより、小まわりの利きと走行安定性を向上させている。これは全幅を1800mmに抑えた後輪駆動のセダンという、先代型から乗り替えるユーザーに配慮したものでもある。

 クラウンシリーズのなかで、もっとも早い2022年に発売されたクロスオーバーは、まさに「セダンからSUVへ」というクラウンの発展を示す車種であった。そのために、外観はSUVだがボディタイプは後部に独立したトランクスペースを備えるセダンだ。

トヨタ・クラウンクロスオーバーの走行写真

 後席と荷室の間に骨格が入るからボディ剛性が高く、トランクスペースも遮断されるために、後輪が路上を転がるときに発するノイズも居住空間に入りにくい。先代型のセダンと同等の快適性が備わり、乗り替えたときにも違和感は生じにくい。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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