2023-2024年の日本を代表する10台が決まった! 選考委員の西村直人が選んだクルマと選考理由 (2/2ページ)

西村氏は今年の10台のなかに5台の輸入車を選出

BMW X1/②の要素から選出(iX1は③も)

 最新のBMWはクールなデザインに目を奪われてしまいがち。しかし、乗り込んでみると、単なるギミックではない新しいHMI(ヒューマンインターフェイス)が際立ちます。液晶パネル全盛のこの時期に物理スイッチを数多く残しています。これは運転中に操作する機会が多くなるスイッチに限ったもので、その配置や形状には感心させられます。

BMW X1のフロントスタイリング

 BEVであるiX1とほぼ共通のインテリアにも好印象を抱きました。

ランドローバー・レンジローバースポーツ/②の要素から選出

 5mに迫る全長に2mの全幅なので、さぞかし取りまわしに苦労するかと思えますが、後輪操舵機能であるオールホイールステアリングにより最小回転半径は5.3m(標準は6.1m)と常識的な数値。これにレンジローバーならではのコマンダーポジションが加わります。

ランドローバー・レンジローバースポーツのフロントスタイリング

 さらに運転席からの視界が上下方向にもひらけ死角も少ないので、狭い駐車場以外はストレスを感じません。

マセラティ・グレカーレ/③の要素から選出

 最新世代のBiturboは電動ターボと通常のターボチャージャーを備えます。48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載していますが、目的は燃費数値の向上だけではありません。官能的な走行性能を実現する手段としての電動化技術です。もちろんエンジンの生音も現役。

マセラティ・グレカーレのフロントスタイリング

 液晶パネルのアナログ時計部分には各種データも表示可能。歴史を大切に、遊び心にもあふれています。

メルセデス・ベンツEQS SUV/③の要素から選考

 完全無欠のBEV。しかし、メルセデス・ベンツを愛車にしてきた筆者にとって、質実剛健とは真逆の世界であり、踏み込めばグンと蹴り出される走行性能は過剰に思えました。

メルセデス・ベンツEQS SUVのフロントスタイリング

 もっとも、この過剰な部分は意図的なのかもしれません。この先、BEVがもっと一般化した際、過去の象徴としてEQS SUVがあった、そう知らしめるための通過点なのでは……。その観点から評価しました。

フォルクスワーゲンID.4/②③の要素から選出

 最先端技術がつまっているのに徹頭徹尾、地味を貫き通す。これは、ID.4のベースであるID.3にもいえることです。

フォルクスワーゲンID.4のフロントスタイリング

 フォルクスワーゲンは本格的な普及型BEVを世に送り出すべくMEBプラットフォームを開発しています。ビートルやゴルフがそうであったように、まずは実用車でユーザー評価を得てから、次に遊び心あるモデルを投入するのでは……、そんなストーリーに期待して選出しました。

 西村直人が選出した10ベストカーと実際に選出された10ベストカーでは、一部車種が異なっていますが、いかがだったでしょうか?

 2023-2024 日本カー・オブ・ザ・イヤーのイヤカーは今回発表された10台、スバル・クロストレック、トヨタ・アルファード/ヴェルファイア、トヨタ・プリウス、日産セレナ、ホンダZR-V、三菱デリカミニ、アバルト500e、BMW X1、マセラティ・グレカーレ、フォルクスワーゲンID.4のなかから選出されます。

2023-2024 日本カー・オブ・ザ・イヤーの10ベストカー

 2023-2024 日本カー・オブ・ザ・イヤーのイヤーカーの発表は12月7日です。


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