家族愛に満ちたペイントにも注目!
キャビン前方の下部は”ラッセルバンパー”という巨大なバンパーに換装。厚み600mmという驚愕サイズが奢られる。油圧による可動式で、前方の上部にバンパーが持ち上がり、地面との接触を避けるギミックが仕掛けられているのだ。絞りパイプを活用した”バンパーマスト”も秀逸なデザイン。ヘッドライトを囲むようにステンレス製パーツで製作した”フロントグリル”も装着。ここまでフル武装したデコトラは近年珍しい存在なのだ。
誠道丸オーナーの、いちばんの自慢点は荷台にエアブラシで描いたペイントだ。やはりデコトラには派手なペイントが良く似合う。リヤの観音扉には愛する奥様を。荷台側面にはふたりの娘さんを題材とした家族愛に満ちたもので、過激なアートパーツとは裏腹に温かみを感じさせる作風となっている。荷台側面上部の特大ロケットも誠道丸ならではの個性的な飾りだ。
リヤバンパーもラッセル戻しの形状でアートアップ。丸型の筒だしも刺激的で、ナンバープレートは観音扉に移設している。10連のテールボックスは側面のスリットが印象強い仕上がり。この誠道丸は10年前までは青果を運ぶ仕事車だったが、現在は仕事車としての役目を終えており、荷台内部は部屋に改装。家族とのドライブや、各地で開催されているアートクラブ主催のイベントに参加し、デコトラがある人生を満喫しているのだ。
今回自慢のデコトラ誠道丸を紹介してくれた荒木慎司さんは、「規格外のアートパーツで飾っていますが、全体のトータルバランスには気を配っています。バランスを見ながらひと通り飾ってきたので、これまでに何回も飾りをやり替えてきましたね。ミラーステーはバランスを取るために装着したのですが、2メートルもありますね。だんだん長くなっていくので、ものすごく乗り辛いですよ(笑)」と語ってくれた。
流行に左右されず、己の道を貫き通す。そんな荒木さんのデコトラに対する姿勢からも九州男児らしさが伝わってくる自慢のデコトラだ。