まだまだ冬じゃないし……は甘い! クルマの冬支度を「いまやるべき」理由と実施したい項目5つ (2/2ページ)

大がかりな作業もあるからいまのうちに対策を!

その3:窓の内側をクリーニングしておく

 地味に困るのが、内外の気温差による窓の曇りや結露です。冬に雨が降ったときなどに起こりやすいのですが、エアコンが効き出すまではなかなか解消できないため、すぐ出発できずにヤキモキした経験のある人も少なくないでしょう。ガマンできずにティッシュやウエスなどで拭けば一時的に取れますが、またすぐ発生してしまい、イライラさせられますよね。

クルマのフロントガラスにできた結露

 このうちの窓の曇りに関しては、ガラスの内側の面の汚れが視界を悪くしているケースが多いようです。汚れや油分を取り除いてやることで、視界を悪化させる拭きムラを解消できますし、しばらくは曇りの発生も抑えられます。このときに専用の曇り防止剤を併用すればさらに安心でしょう。

 このクリーニング作業についても、実際に曇りや結露が頻発する冬が来る前に済ませておくほうがいいでしょう。傾斜が付いた前後の窓のクリーニングやコーティングは、手が奥に届きづらく姿勢も苦しいことが多いので、気温が穏やかな時期に作業することをオススメします。

車内から窓を拭いているイメージ写真

その4:オイル交換

 これは必須の作業ではなく、気にする人は冬になる前に行っておくと効率がいいという話です。

 オイルは温度が低いとドロリと粘度が高くなる性質があるのはご存じかと思います。このオイルがなかに封入されたエンジンにとっては、粘度が高いほど大きな負荷になります。負荷が高くなるとエンジンの回転が重くなるので、まず影響が出るのが始動性です。極寒時にセルをまわしたときに回転の勢いが弱く感じる原因のひとつがこれです。おまけに温度が低いとバッテリーの発電能力も下がるため、バッテリーなど電装系への負担も大きくなります。

オイル交換のイメージ写真01

 エンジンが暖まってからも粘度の高さは残るので、燃費や加速にもわずかに影響が出るかもしれません。まあ燃費に関して見れば、向上した分とオイル交換費用の差し引きでマイナスになるので、燃費だけのために行う意味はないと思いますが、エンジンが軽くまわるということは各部品への負担も減りますし、きっと加速もいいはずです。

 本格的に寒くなる前にその対策として、冬の低い温度に適した粘度のオイルに交換してあげると、温度に適した状態で車を運行できるということになります。逆に、夏日を迎える前には適応温度域の高いオイルに交換しましょう。

オイル交換のイメージ写真02

その5:車高を上げておく

 この項目は、一部のドレスアップ重視の人や、スポーツ走行好きの車両に限った話になります。たとえば、愛車のスタイリングをより魅力的に仕上げるため、エアロパーツを装着したり車高を下げたりしている人や、月に数度、サーキットでのスポーツ走行を楽しんだりする人などです。

シャコタンにしているカスタムカー

 車高を下げるほとんどのケースは「車高調」と呼ばれる車高調整式のダンパーを使って行っています。車高を下げたままの状態で雪が降る地域を走ると、雪が積もった分だけ、エアロパーツやフロア、マフラーなどを擦る可能性が高くなります。これは極端な例ですが、車高を低くし過ぎてチェーンが巻けなかったという話も聞いたことがあるので、不意の降雪が心配な場合は、前もって車高を上げておきましょう。

 この作業もジャッキアップしたりタイヤを外したりと雪が降ってからではしんどいと思うので、いまのうちに済ませておくほうがいいかと思います。

クルマをジャッキアップしているイメージ写真

 まだ寒さが本格化する前のタイミングで、天気の良い日を選んでイッキに冬支度を済ませてしまいましょう。


往 機人 OU AYATO

エディター/ライター/デザイナー/カメラマン

愛車
スズキ・ジムニー(SJ30)※レストア中
趣味
釣り/食べ呑み歩き/道の駅巡りなど
好きな有名人
猪木 寛至(アントニオ猪木)/空海/マイケルジャクソン

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