この記事をまとめると
■EVモーターズ・ジャパンがEVバスの「F8シリーズ2-シティバス」を展示
■路線バスとして大阪メトログループに納車されており、万博会場で働く工事関係者を運んでいる
■北九州に工場建設が決まっており、日本組み立てによるEVバスがやがて誕生する
大阪万博に向けて大阪メトログループに順次100台納車予定
さて一般公開の会期前半を折り返したジャパンモビリティショー(以下JMS)。純利益6割増で3.9兆円という異次元の決算を発表したトヨタのブースあたりは、増々の人出が予想される。とはいえJMSって、未来志向で尖っている乗用車だけが見どころという訳じゃあない。むしろ、ごくごく身近な未来で、すぐにリアル体験確定の車両だって沢山ある。
その好個の例が東7ホール、EVモーターズ・ジャパンのブースに置かれているEVバス「F8シリーズ2-シティバス」。路線バスとして今夏より、大阪メトログループに順次100台の納車がスタートしており、2025年大阪万博の仕着せは本物で、何でも一度納車した個体を借りて来て、フェリーと自走で会場までやって来たのだとか。
EVモーターズ・ジャパンは元々、自動車メーカーどころか、インバーターに強みをもつ電気側の技術屋さんで、アクティブ・インバーターの開発や制御に独特のノウハウをもつ会社だ。
具体的には、インバーターが100万分の1秒レベルで電流を安定させ、モーター駆動または回生制御を行うことで無駄な放熱を減じ、世界トップレベルの高効率・低電費を実現できているという。当然、最新のSiCパワー半導体を用いたアクティブ・インバーターを搭載しており、超重量級にして77名定員の路線バスで航続距離280kmというロングレンジが可能だ。210kWhの容量を備え、リヤに搭載されるバッテリーは中国製で、車両組み立てもいまのところ中国に委託しているが、アクティブ・インバーターやOBCといった肝要となる制御系のコンポーネンツは最初から日本製デザインなのだ。
しかもOBC(オンボードチャージャー)でもロスの少ないAC・DC(交流・直流)切り替えの独自技術を有しており、200Vの普通充電は無論ながら、非常時にバス側のバッテリーの電力をとり出しAC200Vとして外部給電もできる。