この記事をまとめると
■日本の舗装路はアスファルト舗装が多い
■道路は日本中に作る必要があるため地盤の柔らかい場所にも施工する
■繰り返すクルマの通行が負荷となって地盤に影響し、舗装に凹凸ができる
工事で固めても地中の砂や砂利には隙間が存在する
アスファルト舗装が、日本の舗装路の基準となっている。その昔、アスファルト舗装については、簡易舗装と表現されていた時代がある。コンクリートや石畳などに比べ、補修がしやすいことから、より簡易的な舗装や、修繕のための手法という意味が含まれていたのだろう。しかし現在は、一般道も高速道路も、ほとんどがアスファルトを使って舗装されている。アスファルト舗装の技術も進化し、恒久的な舗装に近い耐久性が得られるようになってきたからだろう。
それでも、日本全国各地の道路の下の地面は、様々な地層から成り立っているため、地盤の硬いところがあれば、軟らかいところもあるはずだ。一方で道路は、連続性のある社会基盤であり、地面の本質的硬さや軟らかさを問わず、全国に展開されている。したがって、そこをクルマが通過することにより、繰り返し負荷のかかるその重さが、最終的には舗装の下の地面に伝わり、元からあった地質次第で舗装路にも影響が表れておかしくない。
月日が経つうちに、ひび割れが起きたり、うねりが生じたりすることになる。
そこを、再びアスファルト舗装で補修していくわけだが、アスファルト舗装の下には砂利や砂などを使って基礎的な地盤がつくられ、それを工事で固めたうえで、アスファルト舗装が敷設される。とはいえ、その基盤となる基礎部分も、周囲の地盤からするとまだ柔らかさが残っている場合があり、舗装路面を再びクルマが通過することによって、工事で固めたはずの基礎であっても、クルマの重さがのしかかることになり、舗装面が沈下していく場合がある。
ミクロ的に見れば、砂利や砂の粒を工事の機械で固めたといっても、微細には隙間が残っているわけで、目が詰まることによって地盤は下がっていく。いったん修復の舗装をしても、基礎となる地盤がさらに固まっていくことにより、表面の舗装を状況に応じてやり直さないと、路面の凹凸はなかなか解消されないようだ。
ほかに、たとえば地下水などの影響で、地盤の中に空洞が生じる場合があり、そこは路面からの重さに対し弱いため、地盤が下がっていく可能性がある。これについては、空洞を埋める手法があるようで、ラテックと呼ばれる樹脂を路面から注入することにより補修することもできるという。
いずれにしても、舗装路と未舗装路を比べれば、舗装路は平らな路面を維持しやすいが、それでも、舗装の下の元の地盤の質によって路面に影響が出てしまうことになる。