この記事をまとめると
■貨物船には「RORO船」と呼ばれる種類が存在する
■名称は英語の「ロールオン&ロールオフシップ」からきている
■一般客が乗れるフェリーとは違いRORO船はあくまでも貨物船で、乗れる人に制限がある
ドライバー不足解消の一手に貨物船が有効!?
RORO船という言葉を知っているだろうか?
貨物船好きの方ならご存じかもしれないが、トラックやトレーラーをそのまま積んで運搬する船のことを指す。ROROという不思議な名称は、英語の「ロールオン&ロールオフシップ」から来ている。
車両をそのまま積み込むというと、フェリーと同じように思えるが、RORO船はあくまでも貨物船で、乗れるドライバーには制限がある。一方のフェリーはクルマも積める客船という違いがあって、トラックのドライバーだけでなく、一般客も乗船可能だ。ただ、フェリーでもトレーラーだけ積むことはあるので、役割的には同じではある。
貨物船というとコンテナを積み込んでいるイメージだが、これには専用の埠頭やクレーン(ガントリークレーン)などが必要で、どこの港でも整備されているわけではない。一方のRORO船であれば、船内と埠頭をつなぐランプウェイさえ降ろせればどこでも積み下ろしが可能だ。肝心の速度もコンテナ船よりも速いのが特徴でもある。デメリットは車体部分も含めて積み込むため、純粋に荷物のスペースが減ってしまうため、積載効率が悪いという点だ。
昨今はドライバー不足が叫ばれているが、RORO船での輸送は代替として有効だし、船舶としての規制もフェリーよりもゆるいため、安価に輸送できる。二酸化炭素の排出量も、トラックやトレーラーが自走するよりも少なくて済むなど、将来性もある。ちなみにコンテナも積めるRORO船はCONRO船と呼ばれて、CONはコンテナを表している。