アメリカには「金持ち専用道路」と揶揄される場所がある
アメリカの高速道路はフリーウェイと呼ばれ、原則無料で走行することができる。
ニューヨークなどの東海岸や、フロリダなどではトンネルや橋を中心に有料となる道路がそもそも目立っていた。南カリフォルニアでも有料道路がなかったわけでもない。ただ、道路を走るのにお金を払うことに抵抗があるようで、有料区間を「金持ち優先道路」などと呼ぶ人もいた。料金決済は日本でのETCのような機械を通じて自動決済され、現金払いはできない。そのため、料金所や日本のようなゲートも存在しない。
専用車載器を搭載しない状態で走行しても、後日専用ウエブサイトを通じて自車のプレートナンバー(ナンバープレート番号)を入力するなどして、5日以内に当該料金決済すれば問題ないとのこと。ただし、指定期日を過ぎても支払い決済を行わないと、反則金のようなもの上乗せされた通行料金の請求が届くとのことである。
料金は路線や区間などで異なり、電光表示で掲示されていたりもする。アメリカらしいともいえるが、有料化レーンはもっとも内側に用意されるので、フリーウェイから降りるとき(南カリフォルニアでは出口は筆者が見た限りでは進行方向右側にある)やジャンクションでの利便性を考え、専用の出口やジャンクション内の側道などが新設されている。
ロサンゼルス地域では流入人口も多いほか、治安のよくない地域から逃れるためなどもあるのか、郊外の住宅開発がかなりの勢いで進んでおり、当然ロサンゼルス中心部へ向かうといったフリーウェイを中心に、車線の増設工事があちこちで進んでいるが、そのタイミングで有料走行レーンの設置も進んでいる。
ちなみに有料だからと言っても、走っているクルマが高級車ばかりということもなく、必要に迫られている人の利用もあるようだが、それでも金持ち道路と呼ばれてしまっている。
フリーウェイのフリーは「無料」という意味ではないが、片側5車線とか日本では信じられないような路線もある高速道路が、日本とは異なり無料で使うことができるのを初めて体験したときは、いつになっても高速道路が無料にならない日本とアメリカの根本的な国力の差を痛感したのを覚えている。
そのようなフリーウェイで有料区間やレーンが目立ってきているのは、利用者サービスのひとつとして設置しているところで、日本とはまた違うなぁとも感じている。