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真っ白なタイヤの正体とは? 地味に凄いブリヂストンのJMSブース (2/2ページ)

真っ白なタイヤの正体とは? 地味に凄いブリヂストンのJMSブース

この記事をまとめると

■ジャパンモビリティショー2023が開催中

■ブリヂストンブースの見どころを紹介

■中央に展示された白いタイヤは月面探査車用だ

月面探査車用のタイヤは金属製!

 広いブースの中央にはeモータースポーツの体験型プログラム、『Bridgestone eMotorsport Institute』用のドライビングシミュレーターが置かれ、それを取り囲むようにタイヤにまつわるさまざまな展示が行われるのがブリヂストンブースだ。

 真っ先に目に入るのは、透明なアクリル板に囲まれるようにディスプレイされた“黒くない”タイヤである。そう、このタイヤは“月を往くランドクルーザー”、トヨタとJAXAが共同で開発を進める月面探査車、ルナクルーザー用のもので、なんと金属製だ。何ゆえに金属製かと言えば、月面はマイナス170度から120度と寒暖(温度)差が激しく、さらに高エネルギーの放射線が降り注ぐため、ゴム製タイヤは長期、長距離使用すると崩壊してしまうという。

 だからといって、タイヤというぐらいだからちゃんと「たわむ」というのがポイント。まったく想像もつかない領域の話だが、月面は非常に細かい砂地で覆われており、あまり接地面圧が高いとタイヤが砂に埋まりスタックしてしまうため、ダブルタイヤ化して接地面圧を分散させているという。その昔見たアポロ16号の月面探査車のタイヤは黒く、シングルタイヤだった気もするが、果たしてあの月面探査車はどのくらい走れたのだろうか……。

 黒くないタイヤの奥には、タイヤのカットモデルが置かれている。とはいっても、サイドウォールの剛性がどうだのという話のためではなく、遥か昔からアイディア自体はよく見聞きするものの、なかなか街往くクルマに装着されることのないインホイールモーターを見せるためのもの……ではなく、見せたいのは路面に設置された送電コイル(電線)から、タイヤの接地面を通じてインホイールモーターに給電するための仕組みだ。

 電車が送電線とパンタグラフからではなく、電気の流れる線路から車輪を介して給電できるようなもの(おそらくそんなものはないが)をイメージするといいかもしれない。ただ、そうなると道という道にすべて送電コイルを敷設する必要が出てくるが、実際はたとえば交差点でクルマが停止するような位置に送電コイルを埋め込んで、アイドリングストップの代わりに短時間で急速充電するようなものが実用化にもっとも近いのかもしれない。電池の容量を増やして航続距離を延ばすより、こまめに充電できればむしろ電池の容量は減らせる上に、車体も軽量化できる、というのがメリットのひとつとして挙げられる。

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