モータースポーツをヘリテッジしたデザイン
――ドアパネルなどボディサイドは非常に力強い面が特徴的です。従来は特徴的なキャラクターラインでソリッド感を出していましたが、この変化の意図はどこにありますか?
「今回は次世代デザインということもあり、なるべくキャラクターラインやモチーフに頼らない造形を目指しました。あたかも車内を守るシェルのような、強さを持ったシンプルな面ですね」。
――一方で、ボディと別体のような前後フェンダーは、現行車のクラッディングを拡大したようにも見えます
「イメージとしてはオールロードカーやラリー車のようなエキサイティングな走りの表現です。もちろん、しっかりタイヤを守るといった機能的な理由もありますが、現行車のように黒い樹脂のクラッディングである必要はあるのか? と考え、そこへのチャレンジでもあるんです」
――ブルーの差し色は何を意図したものですか?
「これは、モータースポーツへのヘリテッジとしてスバルのWRブルーを使っています。おもに空力など機能的な部分を強調することで、そのDNAを今後も継続する意図を示したものですね」。
――サイドシルやホイールなどに使われている、グレーの樹脂のような素材も目立ちますね
「これはクラッシュカーボンですね。通常の編み込んだカーボンではなく、細かく刻んだものを圧着成型したしたものです。ホイールに使ったのは外からの衝撃対応と軽さを両立させるためで、隙間の部分はホイール内の熱を逃がす意図があります」。
――BEVとしての新しいデザインでありながら、スバルのDNAをしっかり反映した提案であることが興味深いですね。本日はありがとうございました。