ダイハツの「OSANPO」ってナニモノ? コペンとはひと味違うオープンEVの中身をデザイナーに聞いてみた (2/2ページ)

ボディカラーは「エアブルー」

――コンセプトカーの「meMO(ミーモ)」も同じですが、バンパーなどに使われたブラックの素材がいい味を出していますね

「はい。素材感についても課題認識を持っていて、たとえばシートのウレタンなど、分解できないから再利用もできないことが問題だと。なので、できるだけモノマテリアルで表現することが環境面でも大切だと考えました。ただ、単なるブラックだと「重い」ので、今回は「混ぜ込み樹脂」として表情を加えています」。

――シンプルなデザインは、やり過ぎると安っぽくなってしまうことはありませんでしたか?

「いえ、じつはあまりシンプルという意識はなかったんですよ。初代コペンのお椀型を基本に、あまり作り込み過ぎない、わかりやすく素直な造形を心掛けたと言ったほうがいいかもしれませんね」。

ダイハツOSANPOのリヤスタイリング

――ボディをホワイトとした意図はどこにありますか?

「じつはこれ、ホワイトではなく「エアブルー」なんです(笑)。今回はクルマ自体がメインではなく、あくまで自然やシーンを楽しむためのモノと考えたので、空など、柔らかく軽いイメージを出したかったんですね。また、ボンネットを淡いベージュにしたのも同じで、視線の先に明るいモノを置きたかった」。

――ホイールの形状やカラーが独特の雰囲気を醸し出していますね

「お散歩ということから「河原」をイメージしました。川で遊んでいる人にも圧迫感を与えない表情ですね。じつは水泳のビート板の素材を使っていて、それを透明な塩ビで巻いているんです。その塩ビも、自分たちで大量の中古レコードを買い集めて粉砕、熱処理して再利用しました。サステナブルな素材というとチョットお堅いイメージが出てしまうので、やるならユーザーさんにも楽しんでもらえるモノにしたかった」。

ダイハツOSANPOのタイヤ

――ところで、ルーフは脱着式なのですか?

「じつは、ルーフは最初から想定していなかったんですよ(笑)。もう完全なオープンボディで屋根はない。なので、内装は耐水性なども意識した素材を使っています」。

――単に環境面だけを考えるのではなく、そこに楽しみや体験を盛り込む視点が面白いですね。本日はありがとうございました。


すぎもと たかよし SUGIMOTO TAKAYOSHI

サラリーマン自動車ライター

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いすゞFFジェミニ4ドア・イルムシャー(1986年式)
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オヤジバンド(ドラムやってます)/音楽鑑賞(ジャズ・フュージョンなど) /カフェ巡り/ドライブ
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