日本車離れしたディテールと繊細で美しい面処理で魅せる
重量的にもプロペラシャフトが組み込まれ、ロータリーは発電オンリーでなく駆動力も兼ねる、そんな仕様の登場もありうると見ていいのではないか。おそらく、シリーズ・パラレル式かつトランスアクスルのハイブリッドという訳だ。
ほかにデザイン・エレメントで際立つのは、フロントまわりでは極小リッドながらリトラクタブルのライトに、峰の立ったフロントフェンダー。そして側面では、サイドが深くえぐられたコークボトルラインに注目。俯瞰気味もしくは上から眺めると、そのウエストの細さにびっくりするはずだ。
そしてリヤまわりは、まるでザガートのようなコーダトロンカ(スパっと切り落とすこと)によるテール面に、キュッと上がった小尻気味の処理まで、かなり日本車離れしている。
ちなみにもうひとつの見どころは、ドアオープン。アストンマーティンあたりがよくやる、斜め上方に開くドアだが、ドア後端のエッジラインがウインドウ・ガラスと滑らかに一筆書きで繋がっている。
カタチ自体はFD(RX-7)のドアに似ているようだけど、サッシュレスであることに注目して欲しい。RFロードスターもそうだけど、これってユーノス・コスモにも遡れるポイントなのだ。
そしてリヤウインドウが、両端を巻き込んだ曲面ガラスであることは、コスモ・スポーツ以来のマツダの伝統的ディティールでもある。
それにしてもボディパネルの面処理が、精細かつキレイな繋がりで連続している様は、マツダ3のCピラー辺りでは実現されていたけど、ボディ全体でそうなっている点は、やはり新しい。ちょっと足を止めて眺めて、損はしないはずだ。それこそ単純に、目で追ってしまうほど美しいクルマであることが、デザインの目的のひとつなのだから!