ポルシェ・カイエンの新型モデルにPHEVが登場! いまのSUVブームへ続く流れを作ったカイエンとはどんなクルマなのか? (2/2ページ)

マイナーチェンジでデジタル化が進む

 冒頭、カイエンにターボEハイブリッドが追加されたことを記しましたが、現行モデルは4月に改良型が発表されています。

 フェンダーやボンネットなどのデザインを変更し、ワイド化した外観が見た目の変更点ですが、大きなトピックスといえば操作系のデジタル化。

ポルシェ・カイエン ターボEの内装

 メーターは12.6インチフルデジタルメーターを採用。センターディスプレイには12.3インチポルシェコミュニケーションマネジメント、助手席前にも各種走行データが表示される10.9インチディスプレイが搭載されました。

 パワーユニットはターボEハイブリッドのハイブリッドユニット以外に最高出力353馬力を発揮する3リッターV6ターボ、同474馬力の4リッターV8ツインターボ、Eハイブリッドに搭載される3リッターV6+モーターのハイブリッドユニットがラインアップされます。

ポルシェ・カイエンとは

 911をはじめスポーツカーメーカーとして君臨してきたポルシェ初のSUVとして2002年に発表されたカイエン。すでに世界中のメーカーから数多くのSUVが発表されていましたが、カイエンがほかのモデルと異なるのは、911をラインアップしてきたポルシェが開発したモデルということでした。

 ポルシェが長年にかけて築き上げた911の伝統を取り入れたエクステリアデザインや、SUVらしからぬ優れた走行性能を備えた初代カイエンは、あっという間に同社の稼ぎ頭に成長。2010年に2代目、2018年に3代目が登場しています。

 ポルシェ初となるSUVであり4ドアモデルとなったカイエン。いまや同社に欠かせない主要モデルとなっています。

ポルシェ・カイエンの走り

歴代カイエンを振り返る

初代(2002年)

 フォルクスワーゲン・トゥアレグとプラットフォームを共有し、ポルシェ初のSUVとして開発されたカイエン。ただトゥアレグとは異なり、自社開発したV8エンジンのみを搭載する高級SUVとしてデビューしました。

 誰が見てもポルシェ車とわかるフロントフェイス、ヘッドランプからリヤへと続くサイドショルダーライン、力強く張り出したフェンダーなど911のデザイン要素をふんだんに取り入れたデザインが特徴です。

ポルシェ・カイエン(初代)のフロントスタイリング

 デビュー後、V6エンジン搭載車などを追加してラインアップを拡大。2006年には排気量の拡大や直噴ヘッドの採用など、パワーユニットを改良するマイナーチェンジを実施しています。

 ポルシェ製SUVだけに、走行性能はスポーツカー顔負けの速さを備えていたカイエンは、ポルシェの主力モデルへと成長。1代でポルシェの屋台骨を支えるブランドとなりました。

2代目(2010年)

「ポルシェがSUVを開発?」と訝しむ声がありつつも登場後、すぐに人気モデルとなった初代カイエンのあとを受け2010年に2代目がデビュー。フロントフードより高い位置に設けられたヘッドライトなど、初代同様、911と同じデザイン要素を取り入れたエクステリアデザインを採用しています。

 先代と比べてわずかではあるものの、全長を拡大しつつも同時に軽量化を実現。3.6リッターV6ガソリン、4.8リッターV8ターボ、またポルシェ初のハイブリッド車となるカイエンSハイブリッドに搭載される3リッターV6+モーターのハイブリッドユニットをラインアップ。国内では販売されなかったものの、本国仕様には3リッターV6ディーゼルターボも用意されていました。

ポルシェ・カイエン(2代目)のフロントスタイリング

 2代目は2014年にビッグマイナーチェンジを実施。3リッターV6スーパーチャージャー+モーターを組み合わせたカイエンSEハイブリッドなどが追加されています。

まとめ

 スポーツカーメーカーやラグジュアリーメーカー、はたまたトヨタ・センチュリーの派生モデルとしてなど新たなSUVが続々と登場しています。そんななかでもポルシェがラインアップするカイエンはまさに別格。高い人気を誇っているのは「ポルシェのSUV」であることは間違いないでしょう。

 911を思わせるハンドリングや加速感はまさにMade by ポルシェ。弟分のマカンとともにスポーツSUVとしてこれからも進化していくことでしょう。


手束 毅 TEZUKA TSUYOSHI

フリー編集者/ディレクター

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ゴルフ、食べ飲み歩き
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