ユーノスコスモはいまが買い時!?
ユーノスコスモの燃費
2つのロータリーエンジンを搭載したユーノスコスモですが、気になるのは燃費。MX-30ロータリーEVで復活したロータリーエンジンですがそれは発電用。ユーノスコスモが登場した時代のロータリーエンジンといえば燃費が悪いことが世の中の常識でした。
ユーノスコスモの燃費を見ると2ローター13B型エンジン搭載車で6.9km/L、3ローターの20B型エンジン搭載車となると6.1km/L(いずれも10モード燃費)となります。
現在のWTLCモード燃費に直すとさらに悪化(3km/L以下?)するほど強烈な燃費性能。ガソリン高が続く現在ではありえない数値ですがデビュー時は好景気に湧いていたからか、それともガソリン価格がいまほど高くなかったからなのでしょうか。ロータリーエンジンを搭載する高級クーペということもあり、当時の自動車専門誌を見てもそれほど問題視されていなかったようです。
ただ、デビュー後はメディアの試乗記やユーザーから20B型3ローターエンジンの燃費の悪さが大きな話題となり、「スピードメーター並みに動く燃費計」「極悪燃費車」などなどの悪評が飛び交いました。
ユーノスコスモ13Bと20Bの違いは?
先程お伝えしたようにユーノスコスモ最大の特徴は、20B型3ローターエンジンを搭載したこと。2ロータリーエンジンをベースにハウジングとローターを継ぎ足し3ローター化。量産車初となるシーケンシャルツインターボ&インタークーラーを組み合わせ、最高出力280馬力を発揮しています。
電子制御4速ATを組み合わせた20B型エンジンはシーケンシャルターボを組み合わせたこともあり、アクセルに対するレスポンスは抜群。一般的なレシプロエンジンならV12エンジンに匹敵すると評された3ローターエンジンはスペック以上の性能を誇っていた(自主規制スペックに合わせるためデチューンしたとも)のは確実で、爆発的な加速と力強さを備えていました。
もうひとつのパワーユニットとなる13B型ロータリーエンジンは、20B型とは異なり2ローター。20B型と同様にシーケンシャル・ツインターボを装着し最高出力230馬力を発揮しました。
13B型エンジンは20B型エンジンと比べてパワーはもちろん、とくにトルク(20B型:41.0kg-m/13B型:30.0kg-m)が劣っていたことが大きな違いといえるでしょう。
ただ13B型エンジンがトルク不足というわけではなく、20B型3ローターエンジンのトルクやドライバビリティがあまりにも優れていたことによる違いとなります。
ユーノスコスモの販売期間はいつからいつまで?
スタイリングや贅沢な内装など、いま見ても魅力的なユーノスコスモ。「初代コスモ(1967年)を復活させる」とのテーマで開発された同車ですが、当時マツダのハイソカーとして販売されていた3代目コスモ(の2ドアハードトップ)の後継モデルとして1990年4月に発売されました。
デビュー時は大きな話題を集めましたが思ったほど販売は振るわず、大きな改良やマイナーチェンジが行われないまま1995年8月に生産終了。翌1996年6月に販売が終了しています。
中古車市場でのユーノスコスモについて
伝説の3ロータリーの20Bは生き残っている?
執筆時点で中古車販売サイトをチェックしてみたところ、ユーノスコスモの中古車は全国で6台しか販売されていません。そのなかで20B型3ローターエンジン搭載車は3台。希少な存在になっていることには間違いありません。
販売されている3台うち1台は最上級グレードの「タイプE CCS」(678万円)、その他、特別仕様車の「タイプSX」(435万円)、残りの1台はエントリーグレードをベースにしたル・マン24時間優勝記念の特別仕様車「タイプS」(880万円)。
いずれも13B搭載車と比べて2〜3倍の中古車価格がつけられています。
いまユーノスコスモは買いのタイミング?
2023年現在、ユーノスコスモの購入を考えている方が何人いるかはわかりませんが、欲しいと思う方にとってはいち早く購入することをためらってはいけません。
ネオ旧車などと呼ばれる80〜90年代のモデル、とくにスポーツカーの中古車価格については高値が続いているのが現状。今後、価格が下がることは考えにくく、また状態が良い車両が中古車として市場に出る可能性は年々少なくなります。
相当な覚悟と予算、あと整備(とくにロータリーエンジン)してくれる工場などが必要となりますがユーノスコスモを欲しい人にとっては、いまが買いのタイミングといって間違いないでしょう。
まとめ
1990年から6年間で約9000台しか販売されなかったユーノスコスモ。当然、現存する中古車は少なく、3ローター車においてはさらに希少な存在なのは間違いありません。
ただ、デビューした当時はもちろん現在でもその存在感は圧倒的。とくにモダンファニチャーをイメージさせる内装は大きな魅力を備えています。
中古車価格やいまの時代には沿わない燃費の悪さなど購入することは現実的ではないですが、それでも欲しいと思う人にとっていまが買い時なのかもしれません。