日産プリメーラとは? 大ヒットの初代から昆虫顔と揶揄された3代目までの歴代モデルを振り返る! (2/2ページ)

徐々に人気は低迷しついには2005年に生産終了

3代目(2001年)

 成功とはいえなかった2代目のあとを受け2001年に登場した3代目の開発テーマは「明確な個性を持つこと」。初代から大きな変化を得ず失敗した2代目の不振を払拭するためのテーマだったことは、言うまでもありません。

 そのテーマを基に開発された3代目の大きな特徴はエクステリアデザイン。フロントノーズからリヤデッキまで続くモノフォルムプロポーションはとにかく個性の塊。当時、日産が進めていたリバイバルプランの影響もあったとはいえ、大胆に変更されたスタイリングは3代目の個性を引き立てています。

 デザインだけでなくプリメーラの特徴ともいえるパッケージングも進化。全車3ナンバーボディとなりました。

日産プリメーラ(3代目)のフロントスタイリング

 ボディが先代から全長135mm、ホイールベース80mmプラスされたことで、居住性(室内長は2145mm/2代目は1935mm)が大幅に向上しています。

 3代目のパワーユニットはSR型ではなく2種類のQR型エンジンを搭載。最上級グレードに搭載されるQR25DD型2.5リッター直4エンジンは、直噴で最高出力170馬力を発揮。2リッター直4(最高出力150馬力)のQR20DDは直噴ではないものの、実用域での使いやすさや高い燃費性能を誇ります。

 パワーユニットは2001年に2リッター直4のSR20VE型&6速MT搭載車を追加。2002年に廉価グレード用に1.8リッター直4のQG18DE型を追加しました。

 ただし、セダン人気の低迷や個性的すぎるデザイン……とくに「昆虫顔」とも比喩されたフロントマスクの影響からか販売は振るわず、2005年に生産と販売を終了(欧州では2008年まで生産)。一時代を築いたプリメーラの歴史に幕が下されています。

2代目プリメーラワゴン(2001年)

 2代目に続き3代目プリメーラにもワゴンが設定されました。先代とは異なりセダン登場とともにワゴンも登場しています。

 3代目に設定されたワゴンはセダンと比べて全長を110mm延長。スーツケース4個積載可能なラゲッジスペース(床下サブトランクも用意)を実現しました。

日産プリメーラ ワゴン(2代目)のフロントスタイリング

 パワーユニットはセダン同様、QR25DD型2.5リッター直4とデビュー当時はQR20DD型2リッター直4エンジンをラインアップ。デビュー当時はセダンにはない4WD仕様も用意(セダンも後に設定)されていましたが、2リッターエンジンのみが搭載されています。

 ワゴンのリヤシートは7:3分割可倒式に後席リクライニング機構(11段階調整可能)を装備。セダンにはない機構が追加されたことで、使い勝手がさらに向上しました。

日産プリメーラ ワゴン(2代目)のリヤスタイリング

 ただセダン同様、ワゴンの人気も低迷。ステーションワゴンブームも収束したことなどもあり、セダンとともに2005年に生産と販売が終了しています。

まとめ

 一世を風靡したプリメーラ。国産セダンに新たな価値観を取り入れたことで人気を集めましたが、世の中のセダン離れなどによりブランドが消滅してしまいました。

 ただ、とくに初代は当時のライバル車と比べて走行性能やパッケージが優れていたことで、国産車の価値を高めたのは確かでしょう。改めて振り返ると、プリメーラというクルマの偉大さがよくわかりました。


手束 毅 TEZUKA TSUYOSHI

フリー編集者/ディレクター

愛車
プジョー407SW
趣味
ゴルフ、食べ飲み歩き
好きな有名人
玉袋筋太郎

新着情報