中・韓メーカー「BYDとヒョンデ」は成功してる? 現在の状況を調べたら「ヒョンデはこれから」「BYDはかなり驚異」だった (2/2ページ)

ヒョンデはフリート販売に力を入れていく

 どのような人達がBYDアット3を買っているのか、販売店に尋ねると以下のように返答された。「アット3の在庫は十分に用意され、約1カ月で納車できる。好みに合った仕様がなくても、納期は長くて3カ月程度だ。お客様は年齢層を含めて幅が広く、下取り車も電気自動車のリーフからフォルクスワーゲンゴルフまでさまざまだ。以前の電気自動車は、一戸建てのお客様が圧倒的に多かったが、アット3ではマンションに住んで公共施設などの急速充電器を使うケースもある。価格の安さが決め手になっている」。

BYD ATTO3の走行画像

 BYDアット3は、全長が4455mm、全幅は1875mmのミドルサイズハッチバックで、駆動用リチウムイオン電池の総電力量は58.56kWhだ。1回の充電により、WLTCモードで470kmを走行できる。価格は440万円だが、申請を行うと経済産業省による85万円の補助金が交付される。この金額を差し引いた実質価格は355万円だ。

 ちなみにリーフは、ボディサイズがアット3に近い。60kWhのリチウムイオン電池を搭載するe+Xの価格は525万3600円で、補助金交付額の85万円を差し引くと約440万円になる。つまりアット3は、リーフe+Xよりも実質的に約85万円安く、装備は逆に充実する。この買い得度の強さがアット3の決め手だ。

BYD ATTO3のリヤスタイリング

 一方、ヒョンデの登録台数は、2023年7月が15台、8月が20台、9月が36台とされる。今の登録台数は少ないが、販売店では「エニカのカーシェアやレンタカーを含めて、販売に力を入れる」と言う。

ヒョンデIONIC5のフロントスタイリング

 アイオニック5の標準仕様は、58kWhのリチウムイオン電池を搭載して、WLTCモードにより498kmを走行できる。価格は479万円で、経済産業省による補助金交付額は65万円だ。補助金を差し引いた実質価格は414万円になる。これもリーフに比べて安いが、BYDアット3の実質価格が355万円に収まるのは、やはり説得力が強い。

ヒョンデIONIC5のリヤスタイリング


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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