狭い首都高にデカいクルマの謎! 黄色い首都高パトロールはなぜ「ランクル」ばかりなのか? (2/2ページ)

首都高パトロールという激務にはタフなクルマが適任

 また、リヤバンパーを見てみると、頑丈な牽引フックが取り付けられており、ロープもカー用品店で売っているような細いものとは異なる、しっかりとした太さの頑丈なものを積んでいます。故障車などが発生した際に、いち早く安全な場所まで移動させて、二次被害を防いだりスムースな走行を確保したりするため、ランクルが故障車を牽引して待避所などまで牽引するのです。首都高を走るのは普通車だけではないので、ランクルならおよそ4トン程度のトラックまで牽引することができます。これも、首都高のパトロールカーがランクルである理由です。

首都高パトロールカーのランドクルーザーの真正面リヤスタイリング
©首都高速道路

 このほか、ルーフには走行中に路面の温度を自動的に計測できる機器も搭載されています。そして、車体に搭載された複数のカメラの映像は、交通情報把握に活用しています。首都高のランクルは、走る情報収集車ともいえるのです。

道路パトロールカーに設置された道路の路面温度を計測する機械
©首都高速道路

 そして、室内には無線機が搭載されており、管制室とすぐにやりとりできるようになっています。事故や故障車などが発生すると管制室から無線で連絡が入り、その現場に急行します。その際、ルーフの赤い点滅灯が光り、サイレンが響いているのを見たことがあるかもしれませんが、そのスイッチもあります。

道路パトロールカーに取り付けられた無線機
©首都高速道路

 また、ランクルのリヤゲートを開けると、車線規制などのためのカラーコーンをはじめ、たくさんの道具が積まれています。大容量のラゲッジを備えていることも、ランクルがパトロールカーにふさわしい理由かもしれませんね。

道路パトロールカーのトランクルーム
©首都高速道路

 ランクルは、いざとなれば砂漠でも岩場でも走ることができるタフなクルマです。地震などの自然災害がいつ起こるともわからない日本。そんな首都圏の大動脈を、日夜パトロールして安全を守るためには、やはり、ランクルが適任だと納得できますね。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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