この記事をまとめると
■ロサンゼルスのフリーウェイ網は網目のように張り巡らされている
■そのなかの「ウエスタン・セグメント」という区間を廃止して街に生まれ変わらせる
■CA90の区間廃止を聞いて日本や韓国での高速道路と都市計画のプロジェクトを思い出した
ホームレス対策にフリーウェイを廃止して低賃金住宅を建設
ロサンゼルス郡(ロサンゼルス市及び周辺市)を走るフリーウェイ網は文字どおり網の目のように張り巡らされている。新型コロナウイルス感染拡大も落ち着くと、コロナ禍前のようにそこかしこで朝夕を中心に渋滞が恒常化しているフリーウェイも少なくない。
そのなか、インターステート(州間高速道路)405号線から派生し、カルバーシティとマリナ・デル・レイの間を結ぶ州道90号線(CA90)の「ウエスタン・セグメント」という区間を廃止し、代わってそこに公園や低家賃の賃貸住宅の建設などが計画されているとのことである。また、路線バスも運行予定となっているとのこと。
現在、ロサンゼルス郡(ロサンゼルス市および周辺市)では、アメリカの好景気や人件費の高騰などによるインフレの影響で賃貸住宅の家賃が急上昇しており、家賃の払えない人が行き場を失い、ホームレスが急増していることが社会問題化している(大家が旧家賃の住人を追い出し、リノベーションして高い家賃で新しい住人を募集している)。そのため、報道をみると公園整備というよりは、低家賃の賃貸住宅建設というほうにフォーカスしたような計画のようにも見える。
CA90は前述したカルバーシティ~マリナ・デル・レイ間が「ウエスタン・セグメント」と呼ばれ、このほか「イースタン・セグメント」という部分があり、合わせて約25kmとなるが、廃止予定はウエスタン・セグメントの約5kmが対象となる予定。筆者は大学生以来30年以上毎年南カリフォルニアを訪れているが、一度もここは走ったことがない。交通量自体も少ないこともあり廃止対象となったようである。