市販が近いことを予感させる作り込み
モーターは前後に配置されており、AWD方式を採用しているそうだ。なお、このFT-Seはインテリアも作り込まれており、同時に展示されていたFT-3eよりも市販化が近いような雰囲気があった。現在、各種数値や機能を落とし込んだシミュレーターでの研究開発は行われていて、ディメンションやパッケージ的にも素性はいいとのこと。
取材時の会話から、トヨタとしてもBEVのスポーツカーはかなり前向きな様子であることが伝わってきた。現在、このスタイリングの試作車はないそうだが、BEVでのハードなサーキット走行では、冷却に課題があるそうで、このFT-Seのフロントに開けられたダクト類は空力的な要素だけではなく、冷却も考えての処理だそうだ。トヨタが本気でサーキット走行も視野にいれたBEVスポーツカーに取り組んでいるのは間違いないと言えるだろう。
このコンセプトカーにはGRのエンブレムが付けられていたが、モータースポーツの現場でクルマと人を育てているクルマ屋が、本気でBEVのスポーツカーを作ったらどうなるのか? 非常に楽しみな1台だ。